ドラマ

坂本昌行インタビュー「ペットドクター花咲万太郎の事件カルテ」

動物を心から愛する獣医師・花咲万太郎が、事件を解決に導く2時間ミステリー「ペットドクター花咲万太郎の事件カルテ」が、BS-TBSで3月26日(土)に放送される。

観察力に記憶力、なぜか身体能力も抜群! ミステリアスな存在感を放つ主人公・花咲万太郎役を務めるのは、坂本昌行だ。テレビドラマの主演は19年ぶりとなる。

放送に先駆けて行われた取材会では冒頭、「19年ぶりの主演ということで、わくわくドキドキしながらドラマに参加させていただきました!」と笑顔で語り、共演したフレンチブルドッグのげんたを抱っこして「は~い、げんちゃんです」と2ショット姿を披露した。

――台本を読まれた時の感想を教えてください。坂本さんが万太郎役を演じられるということで、深沢正樹さんが当て書きで執筆された脚本だったそうですね。

当て書きということを知らずに台本を読ませていただいたのですが、読み進めていくうちに親近感が湧いてきました。なんだか、自分に似ているなあと。後で聞いたら当て書きということだったので、19年ぶりだけど、この役ならばできそうかなと思うようになりました。万太郎のように人とのコミュニケーションが苦手というわけではないのですが、僕も動物と毎日一緒にいて、動物との対話、心のやり取りが多いので。万太郎は僕に似ていると感じましたね。

――実際にお芝居をする上で心掛けたことは?

「どういうふうにすればいいのかな。こういうふうにしようかな」といろいろ考えていたのですが、橋本一監督に「お芝居をするというよりも、自然体に近い感じでいてください」という言葉を頂いてからはリラックスできました。サスペンスドラマだけど、僕が動物と触れ合う中でいろんな手掛かりが見つかるというストーリー展開なので、演技をするよりも動物との対話や触れ合いを純粋に楽しもうと。セリフも一字一句を台本通りに言うのではなく、動物と接する時の自分の言葉をあえて使おうと思って、たぶん台本とは少し違うことを言ったんじゃないかな。「万太郎」というカードをひっくり返したら、そこには坂本昌行という人間がいるように。そんなことを意識しながら、現場にいました。

――動物とのコミュニケーションは、どのように取っていたのですか?

おやつです、おやつは偉大な力を持っているってことを改めて知りました。おやつをあげると、しっかりと言うことを聞いてくれて。今回、ワンちゃん、ネコちゃん、いろんな動物たちと一緒に撮影している中で、監督がうなった芝居があるんですよ、「うまい…!」って。げんたくんの芝居だったんです。やっぱり動物が持っている魅力というか、表情。本当に素晴らしいなって、勉強になりましたね。

――19年ぶりのドラマの座長ということで、心掛けたことはありますか?

まず、皆さんの邪魔にならないように!ということ。ドラマのロケ現場って、道を歩いているとたまに見掛けるじゃないですか?「すごいな、カッコいいなあ」って遠巻きには見ていたのですが…。いざ現場へ入ってみると、どこにいていいのやら。まずは邪魔にならないようにしようと、空いてる空間を見つけてそこにいました。初共演の方ばかりだったので、ごあいさつをして、様子をうかがって。で、中山優馬を捕まえて「いろいろ教えて~!」と言いながら、皆さんとの距離を縮めていました。

――事務所の後輩の中山さんとはどんなお話を?

「今回初共演だよね?」って聞いたら、「いや、実は(ジャニーズ)野球大会の時にピッチャーで投げていて、坂本くんにホームランを打たれました。あの時のピッチャーです」と。プライベートのことからお仕事のことから、いろいろと話しましたね。

――万太郎のバディとなる刑事、玲子役の矢田亜希子さんの印象も聞かせてください。

テレビドラマで見ることが多かったので一方的に「女優・矢田亜希子さん」というイメージが強かったんですけれど、笑いを取ってくれたり、現場の空気づくりをしてくださって。僕がものすごく緊張していたのが、逆に申し訳ないくらい…。非常に明るくて気さくな方でした。空き時間は、行きつけのスーパーとテレビの情報番組の話で盛り上がってしまいました(笑)。

――クランクアップを今日無事に迎えられました。おめでとうございます。

ありがとうございます。初めは本当に、現場の空気にのまれそうになっていたのですが、スタッフの皆さんの仕事ぶりを見るたびに気合を入れ直していました。僕らよりも朝早く入って僕らよりも遅く帰って、それが毎日だったのに現場を和ませてくれて。和気あいあいとした雰囲気の中で、スタッフの皆さんのお仕事ぶりを見ることが一番の励み、心の支えでした。コロナ禍で当たり前のことが当たり前ではなくなってしまっている今、心に寄り添える、心を奮い立たせる、元気と笑顔をもたらすものも必要だと思うんです。僕らはお芝居をする側、エンターテインメントを発信する側ですけれども、演じながらそのパワーを感じています。どういう形であっても、発信するその先には皆さんの笑顔があると信じているので、自分の出せるものを100パーセント、いや120パーセント! これからも出していきたいと思います。

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