明日海りおが主演するミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』が、10月10日に東京・東京建物 Brillia HALLで開幕した。

ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』は、福山庸治の同名コミックスを原作とした日本オリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座ミュージカルを代表する名作。1991年に初演されて人気を博し、幾度も上演されてきた作品だ。初演から30年の時を経て、東宝の製作による新たなミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』が誕生した。

女として生まれながら音楽の才能を生かすために男として育てられたモーツァルトを演じるのは、明日海りお。宝塚歌劇団花組トップスターを務め、退団後はNHK連続テレビ小説「おちょやん」をはじめとした話題作に次々と出演し透明感のある美しさで引き付ける明日海が、退団後初のオリジナルミュージカルに挑んでいる。

モーツァルトを敵視しながらも引かれるサリエリ役には、確かな歌唱力と美しい立ち姿で観客を魅了する実力派のミュージカル俳優の平方元基。モーツァルトの妻コンスタンツェ役には、宝塚歌劇団在団時に明日海とトップコンビを務めた元花組トップ娘役の華優希。明日海と華の共演は、ファンならずとも見どころの一つだ。さらには俳優、劇場支配人、脚本家など多彩な面を持つシカネーダー役は、音楽活動のみならず近年は幅広い舞台でも活躍するLeadの古屋敬多。ほかにも個性豊かで魅力あふれる顔触れがそろった。

初日前日には公開ゲネプロが行われ、明日海、平方、華、古屋メインキャスト４人がコメントを寄せた。

［明日海りおコメント］

見どころはたくさんあるのですが、私自身の見どころとしては、「私って何なんだろう」と考えた時に、勇気を出して自分の進むべき道へ歩んでいくところ。勇気を出せたことがすごいなと思います。その勇気というのは、サリエリと出会って気付いたこと、コンスタンツェと性別を越えて愛を育めたこと、シカネーダーがチャンスをくれて絆を築くことができたこと、さまざまなキッカケが全部勇気につながって結果として出ているので、その過程をお楽しみいただきたいなと思います。カンパニーの皆さんと今まで命懸けくらいの気持ちでお稽古をしてきた期間が終わって、いよいよ初日が開くのだと思うと感慨深いです。私たちにとっては板の上に立てるというのは何よりの喜びで、「生きてる」と思える最高の場所であって、そしてお客さまと一緒の空間を共有できる。「幸せでどうなっちゃうんだろう」と今から恐れています（笑）。体力と集中力のいる舞台なので出演者、スタッフの皆さまと心を一つにして、いろんなことに気を付けながら大切に一日一日、一回一回をお届けできればと思います。

 ［平方元基コメント］

大きな愛というのが大切なテーマでもあるので、そこを感じていただければと思うのと、作中で精霊たちがたくさん登場しているのですが、言葉は発さないけれども、要所要所ですごく体を使ってダンサブルなナンバーがあったりコンテンポラリー的なダンスがあったり、いろんな表現をしているんです。そこも注目して見ていただけると、作品をより深く楽しんでいただけるのではないかなと思います。稽古場から密になることは避けなくてはいけなかったんですけれども、すごくいいカンパニーで家族のような皆さんとこの物語を温めて作ってまいりましたので、きっといろんなものをお持ち帰りいただける作品になっていると思います。余すところなく楽しんでいただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。

［華優希コメント］

物語にいろいろな展開があって、大切な心の動きの場面がたくさん出てくるのですけれども、前半・後半共にすごく楽しい場面も多いなという印象です。個人的には、明日海さん（演じるモーツァルト）と仲良くさせていただく幸せな場面はとても楽しくて、そしてドキドキ、ハクハクしながら演じさせていただいていますし、「♪NaNaNa!」などいろんな華やかな場面もお客さまにお楽しみいただけるのではないかなと思います。今、こういう状況ですけれども、初日を迎えられるということが本当にありがたいことだなと感じます。個人的には、宝塚を卒業して舞台に立つのが初めてでとても緊張しているのですが、このカンパニーの素晴らしい皆さまと舞台を作らせていただけることに幸せを感じていて、一日一日大切に、お客さまに愛だったり、温かいものをお届けできるように精一杯頑張ります。

［古屋敬多コメント］

シカネーダー役を演じます、古屋敬多です。終盤の方で登場する役なのですが、モーツァルトと一緒にオペラ界で革命を起こそうする、とても野心家でありマルチな才能を持った人物です。稽古開始から約２カ月、毎日体調には気を使ってやってきました。いよいよ本番ですが、気を抜かず、千秋楽まで行けることができたら奇跡だなと、そういう気持ちで一回一回を大切に演じていきたいなと思っています。