2020年4月からKAAT神奈川芸術劇場の新たな芸術監督に就任した長塚圭史がメインシーズンの幕開けに選んだ舞台、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『近松心中物語』。その製作発表会見が7月20日に行われた。
作家・秋元松代の名作に新芸術監督・長塚圭史が挑む本作。華やかなる元禄の遊郭、大阪・新町に咲く二組の恋。格差を問われる現代に通じる普遍的な戯曲を、長塚が実力派キャストと共に新たな『近松心中物語』として創り上げる。
舞台音楽をHIP HOP界の重鎮ともいえるスチャダラパーに託し、さらにこれまで50人規模のキャストで上演されてきた名作舞台を田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河、朝海ひかる、石倉三郎ほか19人のキャストが複数の役を演じ分けて上演する。製作発表会見には演出の長塚をはじめ、出演者から田中、松田、笹本、石橋が登壇。公演に向けての意気込みを語った。
[田中哲司コメント]
長塚さんが芸術監督という立場になっての新作は初めてとのことで、良い作品にしなければと思っています。ここにいるキャストの皆さんとは今日初めてお会いしたのですが日々の活躍ぶりをみても大変心強いですね。明後日から稽古で本読みから始まるのですが、毎回最初の本読みは楽しみの一つです。(自分と忠兵衛の共通点について)忠兵衛は勤勉なサラリーマン的で、あまり自分とは似ていません。さらに設定上は20代なんですね。それがもっとも似つかわしくなく、長塚さんには稽古でよわいを感じたら注意してと伝えてあります(笑)。長塚さんは、何でも受け入れてくれるのでまずは飛び込んでやってみるべきです、と初めて参加される女優のお二人(笹本、石橋)にはお伝えしておきます。(物語のきっかけとなる「一目ぼれ」つながりの質問で)深刻な一目ぼれはありませんが、軽い一目ぼれみたいなものはいっぱいあります。女性でも男性でも、モノでも、食べ物でも。昔より増えた気がしますね。
公演は、9月4日(土)〜20日(月)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて。以降、北九州、豊橋、兵庫、枚方、松本公演あり。