向井地 ロリキャラになりました(笑)。
能條 部長が180センチくらいの高身長なので、美音ちゃんとのバランスがすごいよね。めっちゃかわいいんですよ。部長を見ながらピョンピョン跳ねたり、見上げたりするのを見ていて、なんかいいなぁ…って(笑)。
向井地 はははは!
能條 そういう経験が、女子にしては身長が高い方の私にはなかなかなかったから。「わ〜私もやってみたかったな〜!」とか思いながら、憧れのまなざしで見ちゃって。
――お互いがお互いに憧れているんですね。
向井地 そうですね! 無い物ねだり(笑)。
能條 見てると無意識にほほえんじゃう。
向井地 え〜ホントですか⁉︎
能條 ほほえんじゃうし、お母さんになった気持ちで見ちゃう(笑)。「もう〜! 美音ちゃんかわいいね〜!」ってなっちゃう。とにかくかわいいんです。
向井地 へへへ、ありがとうございます(笑)。
――聞いているだけでも本当に、お二人の水野は別物ですね。
向井地 今までこんなに個性的な水野っていたのかなというくらい、初めて見る形になっているんじゃないかなって思います。
能條 そうだね。
――お稽古をして印象的だったことは?
能條 それまでのお稽古も全力ではあったのですが、初めて荒通しをした時、気持ちの入り方が全然違ったんです。演出の中江さんに、今まではかなり準備してセリフを言っていた、段取りを追っていたのが見透かされていて。「すごく考えながらやってるんだろうなと思ってたけど、通してみたらそれがようやく外れた」と。私自身、周りのキャラクターのセリフがやっと耳に入ってくるようになったのを感じましたし、相手の言葉を聞いてその時の感情そのままに言葉を発することができるようになったなと。いろんな邪念を一回置いて、そのままの気持ちでセリフを言うことがやっとできました。本当の意味で、スタートに立てたのかなと思った瞬間でしたね。
向井地 私はお稽古とAKB48のコンサートのリハーサルがちょうど重なっていて…。稽古に出られない日もあったりして、自分がいない間にみんな進んじゃってるなーという不安がありました。
能條 1日空くだけでね…。
向井地 そうなんです。動きが変わっていたり、セリフが増えていたり。でもやっぱり、できなくても通していくことって大事だなと私も思います。水野は2時間ほぼ出ずっぱりなので。最初のうちはシーンを5個くらいに区切って稽古していたけど、全部通したら物語の流れがやっと見えてくるというか。
――中江さんからの言葉で、ご自身の課題になっていることは?
能條 私、動き方、歩き方一つにしても結構舞台の歩き方みたいなのが染み付いちゃっていて。中江さん的には、もっと自然な感じにあえてしてほしいと言われたり。あと、金ちゃん(三浦海里、松村龍之介=Wキャスト)とアイちゃん(能條、向井地=2役)のシーンは一番有名だし、とても重要なシーンなので、印象付けたいという話をしています。稽古中、中江さんから「すごくいいシーンになっているけれど、3列目くらいのお客さんまでしかきっと泣かすことができないと思う。今のままだと、3列目くらいまでしか届かないレベルだよ」と言われて。客席全体がグッとくる空気感に包めるように持っていかないといけないので、そのためにかなりいろいろ…セリフもちょっとずつ変えたり、感情の動きをガラッと変えたりしていかなきゃいけないなと思っています。
向井地 私は常に「もっと子どもっぽく」と言われています(笑)。結構難しいんです、子どもっぽくしていくのって。
能條 難しいよね。
向井地 はい。それこそ舞台っぽい堂々とした歩き方じゃなくて、ちょこまか走ったりする感じを求められているんです。そういう細かい子どもっぽさや、個性の出し方にすごく苦戦しています。アニメとかの子どもっぽいキャラってこういう動きをするんだろうな、みたいなのは想像しながらやるようにはしています。あとはやっぱり、自分がセリフを言うタイミングになって焦り出しちゃうことがあるので(笑)、もっと余裕を持ってできるようにしないといけないなと思っています。
――「熱海殺人事件」にちなみ、最近お二人に起きた事件は?
向井地 私は、突然「進撃の巨人」にハマって。2週間でアニメ75話くらい一気見ちゃいました!という事件です(笑)。合間にセリフも覚えたりしながらも、なぜか見終わったんですよね。今までこんなにアニメにハマることはなかったんですけど、初めてハマりました。スイッチが入ると熱くなるタイプなんだと思います(笑)。
能條 事件かどうか分からないんですけど…。一つ前に出演していた作品がミュージカルだったんです。ロングランで2カ月くらい公演期間があったんですけど、その作品ではセリフの言い回しが1から100まですごくキッチリ決められていたんです。『新・熱海殺人事件』はすごくスピード感が大事になってくる作品なんですけれど、ミュージカルの時につくり上げたゆったりとしたテンポが体に染み付いてしまって、なかなか抜けないでいることに気付きました…という事件です(笑)。