スペイン最大の画家ゴヤの激動の半生を描く、今井翼主演のオリジナルミュージカル『ゴヤ-GOYA-』の製作発表記者会見が3月9日に東京都内で行われ、今井翼をはじめ、共演の小西遼生、清水くるみ、原案・脚本・作詞のG2、演出の鈴木裕美、作曲・音楽監督を務める清塚信也らが出席した。
日本ミュージカル史上で初めて画家フランシスコ・デ・ゴヤを題材にした作品となる本作は、主人公のゴヤが波乱万丈な生きざまや混沌とした社会の中で、いかにして芸術家となっていったのかを描く。聴力を失いながらも後世に残る絵を描き残したゴヤを今井が演じる。
今井は、療養のために2018年9月に無期限の活動休止を発表し、20年2月にシスティーナ歌舞伎『NOBUNAGA』で約2年ぶりに舞台復帰。本作で復帰後初主演を果たすことに。
フラメンコをはじめ、スペインの文化に造詣が深い今井は「日本の次に愛するスペインを舞台に、世界を代表するゴヤを演じられることを本当にありがたく思っています。僕自身も、病を経験し、おかげさまで今を迎えられる喜びといったものを感じておりますが、紆余曲折したゴヤの人生を、丁寧かつ大胆に、また熱くエネルギッシュに演じていきたいと思っております。世界中が大変な状況にある中、このような大役を頂き、舞台に立てる喜びをかみしめています」と本作に懸ける思いを語った。
作品の内容について「人間ゴヤに焦点を当てて、人間味あふれる“うねる”ような彼の人生と同じようなストーリー展開になっています。コミカルなシーンもあります。僕自身、こんなにコミカルなお芝居は初めて。エンジョイしています!」と演じることを楽しみにしている様子。
スペインが舞台ということもあり、劇中、今井が長年培ってきたフラメンコを踊るシーンも登場する。今井にとってフラメンコの師匠ともいえる佐藤浩希が振り付けを担当するとあって「すごく心強く思っています。怒り、喜び、悲しみ……体の芯から湧き上がってくるゴヤの感情を、フラメンコで表現できたらと思います。丁寧かつ大胆に、エネルギッシュにゴヤを演じたいです」と意気込む。
ゴヤの親友サパテール役を演じる小西は「翼くんと、親友という言葉を超えた心と心の通った関係をつくっていけたらと思います。同世代としては、翼くんはずっと見てきたスター。今回は“コニツバ”と呼ばれるように頑張りたい(笑)」と、タッキー&翼(タキツバ)を意識した発言でアピール。
ゴヤの妻ホセーファ役を演じる清水は「今日、衣装を着てみて役へのインスピレーションが湧きました。お二人の関係性の愛情が強いあまりに、あまり愛されていないという(笑)。ちょっとかわいそうなんですけど、でもちゃんとけなげに支えるという妻の役です」と笑顔で役柄を述べた。
会見の最後に、今井が改めて「僕はおかげさまで昨年、活動を復帰させていただきまして、そこからさまざまな経験をする中、今回のこういった大役を頂きましたので、本当に感謝をしてこれまでの時代に感謝して、今このような時代を迎える中で舞台に立てる喜びというのをかみ締めてやっていきたいと思います」と今の思いを述べた。
ミュージカル『ゴヤ‐GOYA‐』は、4月8日(木)~29日(木)まで東京・日生劇場にて、5月7日(金)~9日(日)まで名古屋・御園座にて上演。
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