舞台『知恵と希望と極悪キノコ』が2月25日(木)に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕。初日を目前に控えて公開ゲネプロが行われ、主演の富田翔をはじめとするキャスト陣が本番さながらの舞台を披露した。
舞台『知恵と希望と極悪キノコ』は人情喜劇を得意とする大浜直樹が、自ら主宰する劇団LIVESで二度上演。2020年には、キャストを一新して上演。コロナ禍においても、コロナ禍だからこそ観客の心を揺さぶり笑って泣ける作品として話題となった。
物語は俳優生活最後の映画の撮影に臨もうとする売れない俳優が、戦闘員Aという端役を誠心誠意演じ切ろうと臨む。が、同じ戦闘員役として現場に集ったのは売れない俳優や俳優1年目のド素人。さらにメインどころの役にも、かつてアイドルとして一世を風靡(ふうび)したものの今はさえない中年俳優がキャスティングされるなど、いずれも曲者ぞろい。それぞれの夢が交錯した時、現場に混乱が生じ、やがて騒動となっていく…。
映画製作の裏側を描く作品ということで、俳優ならではの「芝居あるある」の他に「製作陣あるある」も随所に盛り込まれていて、関係者からはうなずきが劇場内に起こっていた。そんな中、戦闘員A役の富田は穏やかで争いごとを好まない性格だがこの撮影に全力で臨もうとする静かな気迫を感じさせていた。その姿はある意味、富田本人の芝居に対する姿勢をも感じさせるものであった。
開幕を目前に、富田がコメントを寄せた。
「ご来場いただきありがとうございます。人生には数々の“決断”をする瞬間があると思います。その中で一つの大きな決断をした役者の人生を、今の自分だからこそできる、目いっぱいの表現で伝えられたらと思っています。愛すべき登場人物それぞれの人生、このたった一日の中で思いが混ざり合い成長していく姿を楽しんでいただけたらうれしいです。今、まさに見てほしい作品です。最後まで全身全霊生き抜きますので、よろしくお願いします!」
公演は2月28日(日)まで同所にて。