11月2日(月)に東京・シアタークリエで開幕するミュージカル『RENT』の製作発表会見が10月8日(木)に都内で開催された。
1996年にオフ・ブロードウェーで初演されて以来、ブロードウェーでは12年4カ月のロングランを記録したほか、15カ国で上演されている世界的ヒットミュージカル。シアタークリエでは2008年から上演を重ね、今回で6度目の上演となる。
会見では、花村想太 (Da-iCE)、平間壮一、堂珍嘉邦(CHEMISTRY)、甲斐翔真、遥海、八木アリサら20名のキャストが登壇。劇中歌を3曲披露すると共に、公演へ向けた意気込みを語った。
『RENT』は20世紀末のNYを舞台に、家賃(RENT)を滞納するような貧困やドラッグ、HIV、同性愛といった現代的悩みや痛みを抱えた若者たちが、それでも夢を追い掛け、今日という日を愛し精一杯生きる姿を描く物語。
シアタークリエ版では毎回オープンオーディションで全キャストが選ばれるのも特徴で、今回もまた、『RENT』に出演経験のある人からミュージカルの世界で活躍している人、初舞台の人まで多彩な顔ぶれとなった。
会見は、そのキャストがそろっての劇中歌『Seasons of Love』の披露からスタート。劇中を代表する美しくも力強いナンバーを本番同様、キャストが横一列に並び、歌い上げる。さまざまな個性的な声がぶつかり合い、奇跡のように美しいハーモニーを響かせた。続けてロジャー役の堂珍嘉邦と甲斐翔真、ミミ役の遥海と八木アリサが『Another Day』でもどかしい思いをぶつけ合い、最後にマーク役の花村想太と平間壮一、ロジャー役の堂珍、甲斐の4人がロックなナンバー『What You Own』をパワフルに披露した。コロナ感染対策の情勢に即して、20人のキャストは全員マウスシールドを着けての登場だったが、全力のパフォーマンスで“RENT愛”をしっかりと見せつけた。
劇中歌披露後は、各自が公演に懸ける思いを述べた。ビデオ・アーティストのマークを演じるのは花村想太と平間壮一。初のミュージカル挑戦となる花村は「2017年に『RENT』を観て、ミュージカルのステージに立ちたいという夢を持ち、その夢が今かなおうとしていることが本当に幸せです。命懸けでやっていきたい」と力強く語った。一方、本作に2015年、2017年にもエンジェル役で出演していて、今回初のマーク役への挑戦となる平間は「本当は一番距離を縮めて稽古をしたいところを、一つ(マスクの)壁があることで、歯がゆく思ったりもしますが、みんながそれに耐えて稽古をしています。その思いがまた、みんなを一つにしているのかなと思ったりもする。今しかできない稽古をしていると思えば、2020年は特別な『RENT』になるのかな」と、今年の公演ならではの心境を話した。
マークのルームメイトであるロック歌手ロジャーは、今回で3回目の出演となる堂珍嘉邦と初参加の甲斐翔真。「この作品は自分にとってもターニングポイントになっている作品です。今回はきっちり最後まで走り抜くことを目標にやっていけたら」(堂珍)、「『RENT』はうそが通用しない。本物にならないといけないということは、とても怖かったりつらかったりするのですが、『RENT』はそういう苦しい思いをしたからこそ出来上がるものなんじゃないかなと感じます。この2020年にやる意味があると信じて走り続けます」(甲斐)とそれぞれ語った。
公演は11月2日(月)~12月6日(日)まで東京・シアタークリエにて、12月11日(金)、12日(土)愛知・愛知県芸術劇場大ホールにて。