10月31日(土)から東京・紀伊國屋ホールにて、鴻上尚史作・演出『ハルシオン・デイズ2020』を上演することが決定した。本作は鴻上尚史がさまざまな人たちと出会い、公演するために作ったプロデュース・ユニットKOKAMI@networkの定期公演18弾。テーマは、絶望と救済、希望。物語は、4人の登場人物が妄想・幻影・虚構と向き合いながら目まぐるしく展開していく。鴻上作品の中で最も多く上演されている衝撃作『トランス』のテーマを引き継ぎ、2004年に初めて上演された本作は2011年のロンドン公演を経て「今だから」届けたい作品として、2020年版を上演する。
本作の主演を務めるのは柿澤勇人。ミュージカル『フランケンシュタイン』や現在放送中の連続テレビ小説「エール」で注目を集め、幅広く活躍中だ。共演には、舞台『恐るべき子供たち』『HAMLET ―ハムレット―』などへの出演やドラマ、番組案内役、執筆とマルチな活躍をしている南沢奈央、連続テレビ小説「なつぞら」や大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」の話題作をはじめ、現在公開中の映画『弱虫ペダル』にも出演している須藤蓮、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト』など多くの舞台出演だけでなく、シンガーソングライターとしても活躍している石井一孝といった豪華キャスト陣が集結した。新たに2020年版に書き換えられた『ハルシオン・デイズ2020』。実力派の俳優たちが一筋縄ではいかない鴻上ワールドをどう演じ切るのか、ご期待を!
[柿澤勇人 コメント]
出演予定だったミュージカルの中止が発表されてすぐに、鴻上さんから一緒に芝居をやろうと声を掛けていただきました。「また舞台で芝居ができるんだ、幸せだな」というのが率直な気持ちです。この状況下で、役や作品がどんどん失われていった中だったので……今まで10数年演劇をやってきましたが、今までとは違う感覚のうれしさでした。鴻上さんとこのハルシオン・デイズについてお話した際、とにかく「生きろ!」というメッセージを伝えるためにやりたいとおっしゃっていたのが印象的で、その言葉で自身もさらに身が引き締まりました。鴻上さんは、僕のような若造の意見にも耳を傾けてくれて、かつ、導いてくれる、そんな印象です。そしてすてきな俳優の方々が集まりました。生きること、命について考えさせられるすてきな作品です。駆け抜けます。
[南沢奈央 コメント]
鴻上さんの作品に出演させていただくのは、4年ぶりになります。どんな影の部分もテンポよく、むしろ明るく作り出されていく世界観が私はとても好きです。『ハルシオン・デイズ』は、死を目の前にして表れる”人の本質”が色濃く描かれます。16年前の初演時とは、大きく変化した世の中になりました。捉え方がまったく違うものになるのではと思う一方、時代を問わずに私たちの胸に響く普遍的なメッセージがたくさん込められていると思います。私自身が作品から感じた「生き抜く力」を持ち、「今上演する意味」というのをかみ締めて演じたいと思います。
東京公演は、10月31日(土)~11月23日(月)まで紀伊國屋ホールにて。大阪公演は12月5日(土)、6日(日)サンケイホールブリーゼにて。