2016年にイギリス・ロンドンで上演された英国気鋭の劇作家マイク・バートレットによる社会派戯曲「WILD(ワイルド)」が日本で初めて上演されることが決定。本作が舞台初主演にして、初のストレートプレイに挑戦となるHey! Say! JUMPの中島裕翔が主演を務める。
近年は、ドラマや映画など映像作品への出演が多く、若手実力派俳優として注目を集めている中島。舞台出演は、2012年から13年にかけて上演された「JOHNNYS’ World」以来約6年ぶりとなる。
物語は、2013年にアメリカ合衆国政府の個人情報収集の手口を内部告発しロシアに亡命した、アメリカ国家安全保障局(NSA)の元局員エドワード・スノーデンの事件に着想を得て書かれたもの。ロンドンでの上演時には、新聞各紙で劇評が掲載され、高い評価を得た作品だ。
出演者はたった3人。 舞台はモスクワのとあるホテルの一室。身を潜めていたアメリカ人男性アンドリューと、彼の元を訪ねてくる女と男との巧みな会話劇の中で展開するミステリースリラー。 何が真実なのか、何を信じることができるのか…。
演出は、アメリカ・アクターズスタジオ大学院の演出学科を日本人で初めて卒業したという異色の経歴を持ち、2018 年より新国立劇場の新芸術監督に最年少で就任した小川絵梨子。2010 年に日本で本格的な活動をスタートし、“リアルで緻密”と評される丁寧かつ大胆な演出で、2013 年には紀伊國屋演劇賞・個人賞、千田是也賞、読売演劇大賞優秀演出家賞と数多くの賞を受賞し、今日本の演劇界が最も信頼をおく翻訳家・演出家として翻訳劇を中心に活躍している。本作で東京グローブ座に初登場となる。
そして共演は、舞台・ドラマ・映画でコメディーからシリアスまで幅広い作品に出演し、存在感を発揮している太田緑ロランスと、舞台を中心に活躍し、演出を手掛ける小川作品にも多数出演し信頼も厚い斉藤直樹の2人。
出演が決まった中島は、「舞台の経験はありますが、ストレートプレイはほぼ初めてです。普段、コンサートで向き合っているお客さんとの距離よりもずっと近くて、変な言い方をすれば、ごまかしようがなく自分を見透かされそうで、今から緊張します。ただ、これは自分にとって大変チャレンジングな経験になるので、しっかりと自分の役と向き合って、見て頂く皆さんに現代社会への警鐘を鳴らせたらなと思っています」と意気込みを語った。また、演出の小川と会って「じっくりゆっくりと作っていきましょう」と言葉をかけてもらったそうで、「ふっと、安心できる空気感をつくってくださいました。どんな演出や仕掛けが待っているか、僕もワクワクしています」と、公演を楽しみにしている様子だ。
気鋭の演出家、そして実力派の共演者2人を相手に、初主演&初ストリートプレイの中島裕翔がどんな演技を見せるか期待だ。
公演は4月28日~5月25日まで東京・東京グローブ座、6月2日~6月5日まで大阪・シアター・ドラマシティにて。