内野聖陽主演で伊集院静の長編小説「琥珀の夢 小説 鳥井信治郎」をドラマ化した「日経ドラマスペシャル 琥珀の夢」(テレビ東京系)が、今夜放送される。
物語は明治、大正、昭和という激動の時代を背景に、“やってみなはれ”の精神で日本初の国産ウイスキー造りに命を捧げた男の人生を描くヒューマンドラマだ。
4日都内、内野聖陽、檀れい、西田敏行が制作発表記者会見に登壇した。撮影で苦労したことを聞かれると、内野は「7月の猛暑の中、体感温度40℃くらいでやってました。過酷な現場でした」と振り返り、西田との共演シーンについて「西田さんは遊ばれるので、笑いをこらえるのに必死でした。でも出来上がった作品を見てみると、さっくりカットになってました」と笑いを誘った。檀も「私は内野さんに遊ばれたなと。台本を読んでどういうシーンになるか想像するんですが、内野さんは何が出てくるか分からない。ドライ(リハーサル)時にドキドキします」と現場がアドリブ合戦だった様子を明かし、内野が「ドライにやればいいのにね」と返す一幕も。
船場言葉という方言にも苦戦したという内野と西田。内野は「関西弁はやったことあるんですが、商人の地域の船場言葉は、京都っぽいニュアンスも入っていて難しかったですね。撮影に入る前から特訓して頑張りました!」。西田は「北野武監督の『アウトレイジ』で河内弁をかなりマスターしたと思っているので、今回も楽だろうと思っていたら、船場言葉は全然別物でした」。
内野演じる主人公・萬治郎は13歳の時、丁稚奉公先の薬種問屋で葡萄酒の開発という夢に目覚める。それにちなみ13歳の頃の夢を聞かれると、内野は「若い頃は花火師になりたいと思っていた気がする。何千人もの人が空を見て『わぁ、キャー、きれい!』って言っているんだけど、花火師はにんまりしてて、カッコいいなって。一生懸命仕込んだものを皆さんに見て頂くっていうのは、ちょっと今の役者につながってるのかなと思います」と。続いて檀は「すごく模索していたと思います。小学生の時の卒業文集に『自分の才能を生かせる職業に就きたい』っていうふうに書いたんです。10代はいろいろなものに興味を持って、いろいろなことに悩んでいました」。同じ質問に西田は「僕は小学校5年の時にはもう俳優になろうと決意してましたんで。ブレなかったですね。いかにして親を説得して東京に早く出て、福島弁から逃れることができるか。早く故郷を離れてバイリンガルになりたいと思っていました」。
ドラマの見どころについて、「すごく元気がもらえる作品です。人生浮き沈みはあるけれど、そこを踏ん張って、気張って生きていくことの良さがこの作品に出ているなと。モノを作ることに関しては夢の原動力がないとどうしようもなくて、多くの方に共鳴してもらえる部分があるんじゃないかと思います。本当に味わい深い作品です。ドラマを見て、大事な人と『じゃあ飲むか』みたいなことになってくれるとうれしいなと思います」と、内野が力強くコメントしていた。
日経ドラマスペシャル「琥珀の夢」
テレビ東京系 10月5日(金)後9.00~11.24