「bilibili」と「アニプレックス」による完全オリジナルアニメーション「TO BE HERO X」が毎週日曜朝9:30よりフジテレビほかにて放送&Netflix、Prime Videoほかで最速配信中。
物語の舞台は、異彩を放つヒーローたちが喝采を浴びる世界。ここでは、「信頼」がスーパーヒーローを生み出す。人々の信頼によって能力を手に入れるヒーローたちは、信頼を失えば能力も失われてしまう。データとして集計された信頼値によってヒーローのランキングは変動。そして2年に一度、トップランクのヒーローたちが集いトーナメントを実施してはランキングが再構築される。
今回、声優の花澤香菜が演じるのは、あらゆる分野で卓越した能力を発揮する女性ヒーローの代表格・クイーンだ。世界に秩序をもたらすべくXを目指すクイーンの役どころ、アフレコのウラ側について聞いた。

――本作は「信頼値」がスーパーヒーローを生み出す物語。信頼が鍵になるという設定はすごく斬新ですし、現代的ですよね。
花澤 世間のイメージや人気投票で決まる感じとか、すごく現代的ですね。信頼が数値化されて順位として出るということで、「これは生きづらい世界だぞ…!」と思いました(笑)。もっとあやふやでいいところをあえてランキング付けして、ヒーローたちが切磋琢磨していて。でも結果的にそれが本人たちのやる気にもつながるし、信頼されるたびにどんどん強くなるのを見て“なるほどな”って。面白い世界だなと思いました。
――どう数値化しているのだろう…と思いつつ、少し怖い気もします。
怖いですよね、なんでもはっきりしちゃうと。順位を気にするあまり、順位のために行動するようになっちゃうような気がしますし。みんなにいい顔しなきゃ、とか。何かいいことをしなきゃ、とか。自分の意思にプラスして、他の人の目線も入ってきちゃう感じがして、ヒーローたちは生きづらそうだなと思いました。
――そんなシビアなヒーローの世界で、花澤さんはクイーンという役どころを演じました。キャラクターへの印象は?
クイーンは小さい頃から天才で、自分がこの世の中をどう変えていきたいかという強い思いを持っている女性です。ただ、あまり人と関わってこなかった存在ということで、最初の頃は見ていて危うさを感じるようなところがあったんですけど。シアンちゃん(ラッキーシアン)やリトルジョニーとの出会いをきっかけに彼女にしなやかさみたいなものが出てきたなと感じていて。そういう出会いを通して、より強くなっていったキャラクターだと思います。

――どんなことを意識してアフレコに臨みましたか?
“孤高である”というところを意識して、人と距離をとるようにお芝居しました。一方で、小動物のことになると興奮して近くに寄って行ってしまう可愛らしいギャップもあるので、一気に距離感が縮まる感じも意識して演じました。特にクイーン編の後半から、彼女の柔らかさがグッと出てくるんです。話が進むにつれて、より人間らしさや柔らかさが垣間見えるようになるので、ぜひ見ていただきたいです。
――アフレコで印象的だったシーンは?
あるキャラクターと長尺で戦うシーンのアフレコはすごく印象的でした 。こんなに長尺で戦うことはもうないかもって思うぐらい、めっちゃハードでした。しかもアフレコ時点では絵が未完成の状態だったので、“今は飛び蹴りをしている”とか、“みぞおちに食らった”とか、“壁にぶつかった”とか、そういうのを秒数単位で読み取りながらアフレコするのは大変でした。特に戦闘シーンってキャラクター同士の声が被っちゃうため、被りを避けながら声を入れていく作業になるので。お相手の方とは別録りで、彼女が先に録っていて、私が後から声を入れたんです。戦闘シーンが本当に巧みで、すごく叫んでるのに全然声を枯らさないでお芝居されていて、職人技だな〜って思いました。それに触発されて“私も負けずに頑張らないと!”みたいな気持ちで録った覚えがありますね。
――今回はオリジナル作品というところで、原作のない作品で声を当てる面白さや難しさについて教えていただけますか。
結構手探りになることが多いですね。原作がある場合なら事前に原作をチェックしてから収録に入れますけど、この作品は台本をいただかないと物語もキャラクターの動きも分からなかったですし、もらっても「ここはどういう意味なんだろう?」って思うところもあったりするので。そういう意味で、よりクリエイティブなことをさせてもらっているなって感じますね。
――クイーンの役作りはスムーズにできましたか?
彼女自身の思いを最初に演説で話すじゃないですか。あそこで語られた言葉が彼女の信念としてとても大事なことだというのが最初に分かったので、それは入りやすかったなと思います。これがただ“孤高の存在である”っていうところだけにフォーカスされて描かれていたら彼女が何を考えているのかを分かりかねる部分も生まれてしまったかもしれないけれど、すごくハッキリと伝わるものがあったので、演じやすかったなと思います。ただ、先ほども話した戦闘シーンはすごく難しかったです(笑)。長尺な戦闘の中で劣勢になっていったり、巻き返したり。どこでどうギアを入れていくかが課題の1つでしたね。
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