畠中 それはもちろん返しますよ!
上村 はははは! 頼もしいな〜と思って。
畠中 僕もね、ずっと前から福井さんに聞いてたので。
――事前に上村さんの出演を知っていたのですが?
畠中 名前は言わずに、“僕と同世代ぐらいの子が揚羽を演じる”と。そういう含みがある言い方をされていたんですよ。でもある日急に教えていただいて。まだキャストが発表される前だったから、心の中でずっと「うおおお」という思いを抱えていました(笑)。本人に伝わっているのかどうかも分からなかったので、これはいつ言っていいのか、いつ共有していいのか…みたいな(笑)。ずっとワクワクしていました。
上村 福井さんが脚本を担当された朗読劇に出演したことがあって。その作品をきっかけに「ヤマトもぜひ」という風に言っていただいたんですけど。でも最初の最初は、福井さんから聞いたのではなくて、ある日、『2202』の監督の羽原(信義)さんから「上村くん、あれやるんでしょ?」って言われて。「何のことですか?」「揚羽だよ!」ってやりとりがあった上で「わからないです…」と僕が返したら「あれ、いっけね★」って言ってどっか行っちゃって(笑)。それで後日、改めて福井さんからキャスティングについて聞いて、「羽原さんはこのこと言ってたんだ」ということがわかったんです。だから僕もかなりフライングで聞いていたんです。
畠中 「揚羽見つけた!」みたいな感じだったんだよ。
上村 そうだったんだ!?
畠中 僕はそう感じた。それに前作から揚羽は写真では出てきていたから、声がついたらどういう感じになるんだろうって楽しみにしていましたし、念願の共演ができてよかったです。
――作品を拝見していると、リメイクシリーズのヤマトクルーの皆さん、キャラクターとしても演じる皆さん自身も抜群のチームワークがあってステキだなと感じるのですが、お二人はどういうところに本作の良さを感じますか?
畠中 1人1人の視点や考え方が全然違うから、これまでもこれから先もたくさん衝突するんですよね。そしてどっちが言ってることも共感できるからこそ、複雑な気持ちに襲われるんですけど。「○と×」では片付けられないことをテーマにしていて、「あなたはこの△みたいなものを愛せますか?」みたいな問いかけと、その選択に対して責任を負えるのかも含めて、仲間同士でぶつかり合いながら、泥臭く乗り越えていこうとする姿が描かれている作品なんですよね。僕はそれがこの作品の良さだと思います。
――その中で、古代艦長がたくさん揺れ動いているわけですよね。
畠中 先陣切って揺れてくれている感じがしますよね。
――それを見て、土門は納得のいかない思いを抱きながらも、艦長にはリスペクトがあるからより複雑なわけで。
畠中 そうなんです。だからすごく複雑だと思います。でもそれが良いよな〜って。古代艦長に対するいろんな思いがあるからこそ、土門が艦長と何度も衝突するところに泥臭さがあるなと。
上村 いろんなぶつかりがあるね。最初は小さなぶつかり合いだったものがどんどん積み重なって大きいものになっていくようなところもあるし。関わってる人が多い分、その人の立場によって全然見え方も変わるので、そういう部分も見どころだなって思います。一つの正義を振りかざしているだけだったら、この争いは一生終わらないもんね。
畠中 一生終わらないね。
上村 だから皆さんに見ていただいた時、どっちにも感情移入ができるのか、それともどちらでもなくフラットな視点で見るのか。どっちの楽しみ方もできるなって思います。ただ、分かり合えたらすごく結束が早くて、土門と揚羽をはじめ、同期のみんなの空気感がすごく好きです。温かさがあって、それぞれが仲間として認め合っていて、第三章はそういう部分が垣間見えるお話になっているので、そういう人間模様も注目してみていただけたらうれしいです。

上映情報
『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』
全国の映画館で上映中
プロフィール
はたなか・たすく 8月17日生まれ、神奈川県出身。最近の主な出演作にTVアニメ「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」、「Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士(ペット)として暮らしてます」、「えぶりでいホスト」など。
うえむら・ゆうと 10月23日生まれ、埼玉県出身。最近の主な出演作にTVアニメ「多数欠」、「きのこいぬ」、「青のミブロ」、「どうせ、恋してしまうんだ」など。












