韓国の人気webtoon・web小説をドラマ化した「私をもらって」。どん底の日々にヤケになる女性・奈津実と御曹司のゴースト・稜英の儚い恋模様を描く。W主演を務める前田公輝と久保田紗友に、作品、そして役の魅力をたっぷり語ってもらった。

――演じる役について教えてください。
前田　僕が演じる一条稜英は、創業一家の御曹司ということもあり、気品にあふれ、威厳があり、説得力のあるキャラクターだと思います。稜英は大切な人を宝物のように扱っていて、その人に何かが及んだ時にはすぐに飛んでいくところが魅力的ですね。
久保田　私が演じる森川奈津実は、とにかくジェットコースターのように感情の起伏が激しくて、常にエネルギーを求められる役でした。私自身、奈津実が持っている「前に進むしかないなら楽しみましょう！」という気持ちにとても救われながら、日々撮影に奮闘できました。

――役を演じるにあたり、意識したことを教えてください。
前田　原作から稜英のキャラクターが大好きだったので、自分がアジャストできるのかという不安はもちろんありました。だから、私生活からちょっと稜英らしいことをしてみようと思って。稜英の言葉遣いは口語として使われていないものが多かったので、普段圧を感じさせてしまうかも、と思ってあまり使っていなかった低めの声をあえて出すようにして、威厳を乗せていました。だから、クランクインの時よりも声が低くなってると思います（笑）。
久保田　私は奈津実を、私自身が大好きになれるような女の子像と捉えて演じるようにしていました。人に対してここまで感情表現できることってとても素晴らしいことだと思いますし、自分を出すことの怖さも奈津実を通して抜けてきたような気がします。

――ダブル主演となる今作。出演が決まった時の気持ちは？
前田　とってもうれしかったですね。僕は俳優を志してから、民放ドラマでの主演が夢の１つだったので、それがかなってうれしいですし、感謝しています。シーズン３まである作品なので、今まで以上に自分のエネルギーを注げたらいいなと思っていました。
久保田　私もすごくうれしく、感謝の気持ちでいっぱいだったのですが、それ以上に自分が奈津実を演じるイメージが最初なかなかできなくて、プレッシャーでした。でも、この作品を乗り越えることによって得られるものが大きいんじゃないかと考えて、作品を大切にしながら奈津実に向き合おうと思いました。

――“主演”ということについて、２人で話はしましたか？
前田　僕は「頑張っていこうね！」という２人の中での気合いがありすぎると、そこが現場と２人でズレちゃったら嫌だなと思って、極力フラットな状態で入ることを意識していました。
久保田　たしかに、ガッツリとはその部分については話してないですよね。私は心を開いた状態で現場にいられたら、という気持ちでした。
前田　ちゃんと、心開ける現場だった…？
久保田　もちろんです！　ストーリー上でも奈津実が稜英さんに対して心を開いていくので、それと同時に前田さんともコミュニケーションをちょっとずつ取るようになって。役の関係性の変化によってコミュニケーションの距離感も変えていたので、いい関係を築けたんじゃないかなと思います。
前田　シーズン１の撮影中に呼吸が合うようになっていたので、シーズン２でお互いのことを覚えていないはずシーンでも呼吸がすごく合っちゃって（笑）。監督にも「もう夫婦じゃん！」って言われました（笑）。

――今作は生霊と人間のラブストーリー。普通のラブストーリーとの違いは？
前田　物に触れられなかったり、周りから見えていないという前提は今までのお芝居とすごく違うところだなと。でもそれが逆に自由度を高めてくれて、お芝居をするのが楽しかったです。ただ、稜英が死んでいるのか生きているのか分からなくなることが多くて（笑）。僕自身も現場も「今の稜英は死んで…違う違う、死んでない！」となることが多々ありました。
久保田　奈津実って、生霊のことを結構すんなり受け入れてるんですよね（笑）。だから奈津実自身は普通の人と話しているのと変わらないので、物理的な苦労はありませんでした。でも稜英さんと、稜英さんのことが見えない人と、奈津実の３人でお芝居するときは、稜英さんの言葉を拾いながら、でもそれが見えない人に何をやってるのか疑問を持たれないようにしないといけない、というお芝居はちょっと難しかったです。

――最後に、このドラマの見どころを教えてください。
前田　シーズン１ではサスペンス要素と共に別の要素も膨らんでいくので、それを楽しんでもらえたら、と思いますね。シーズン２では稜英と奈津実の立場が全然違うものになっていく中でも、シーズン１の関係性や呼吸が垣間見える瞬間があるので、そこにも注目しつつ、２人の関係がどんなゴールを迎えるのか楽しんでもらえたらうれしいです。
久保田　シーズン１、めちゃめちゃ気になるところで終わるんですよ。本音ではシーズン１見たらすぐシーズン２見ていただきたいところですが、それぞれの過去を思い浮かべながらもう１度最初から見てみると見方も変わると思うので、奈津実視点、稜英視点といろいろな角度から楽しんでいただけたらうれしいです。