――こういう感じで、どんどん企画が増えていく？
本宮　そうですね。今度、50本分のDVD BOXが発売します。どこに置くんだ！って声があがりそうだけど（笑）。
山口　本当に50本一気に出るの？　それは俺も初めて聞いた。すごいですね…（笑）。
本宮　例えばそうやって「ボイスドラマやろうぜ」って話が上がったとして、みんなもうマヒしちゃってるから、何かに手を出すことに抵抗が無くなっちゃってるんですよ（笑）。「やる？」って聞いたら「やる！」って全員が返すから（笑）。
山口　やりたがりだもんね、みんな。
本宮　馬鹿だからな（笑）。山崎一門の企画も、もちろん考えていますよ。
山口　この先、山崎一門の誰かが主役の番外編も続々出るので、楽しみにしていて欲しいです。俺的には丈治の回がイチオシかな。あれは神回ですよ。
本宮　今後も、時事を絡めた問題作が続々リリースされますから。
山口　もう全部が問題作ですよ！　毎回、攻めまくるんだもん！
――“ここまでやっていいの？”が毎回更新されていっているような気が…。
山口　Pたちが攻めるのを許すんだよ！（笑）監督なんかいつもヒヤヒヤしてるんだから。
本宮　最近はもう、ストップをかける人がいないからね（笑）。もちろんリスクは考えてますよ。僕らだって、ただやっているわけじゃないので…。こういう苦情もくるよね、とか考えながらやってます。
山口　もう苦情しかこないんじゃね？（笑）
本宮　そこは、俺たちなりの正義でやってますから。
――そうやっていろんなことに挑戦し続けてきた10年は、きっとすごく濃かったですよね。
本宮　現場がどうこうよりも、10年間でみんなのプライベートにもいろんなことがあって。結婚したり、子供ができたり、家族との別れがあったり…。それこそ、北海道編をやっている時にヤマのお母さんが亡くなってしまったりもして。そういう中でも、作品を撮り続けていかなきゃいけなかったから。
山口　出ていたキャストの方が亡くなったりもしたしね。あと、中澤（達也）さんがRIZINに出場して、顔がボコボコになって撮影ができないっていう事件もあったよね。
本宮　あった（笑）。
山口　「そんな顔じゃ無理だろ？」って言っても「いや、出たいです！」って言い出すから。
本宮　そうやってプライベートも含めて、いろんなことが現場にも影響する中で、みんなでなんとか乗り越えてきた10年でもあるよね。
山口　そうだね。

――ちなみに、本宮さんの中にも、新たに「田村のこういう姿が見たい」という思いはありますか？
本宮　いっぱいありますよ。外伝田村も、俺が見たいと思った田村をテーマに作りましたし。
――今なら？
本宮　今なら“狩人”をやらせるかな。
山口　８時ちょうどの〜あずさ２号で〜♪
本宮　さっきの歌に引っ張られちゃった（笑）。外伝田村では、いつも人を殺してばっかりの田村の違う側面を見たくて作ったんです。山口祥行はすごく優しい人間なので、小さい子と絡むことで、そういう彼の人間性を芝居でも出してほしかったというか。だから次に作る時は、レギュラーシリーズでは見られない側面を出していこうかなって思います。もちろん、10周年記念の中でね。
――第15弾くらいになったら、その企画が見られますか？
本宮　そんなにはならない（笑）。もっと早い段階で出しますよ。
山口　あと俺もね、10周年記念第10弾くらいで氷室さんにやって欲しいと思っていることがあります。それもレギュラーシリーズの中にない、“異色”な感じにしたいんだよね。
本宮　じゃあ、それもやっちゃいましょう。
山口　今回の映画のストーリーが、レギュラーシリーズの展開を変えていくきっかけにもなっているので、映画と併せてこの先の物語も楽しみにしていて欲しいです。
本宮　例えばそれの前振りとしてボイスドラマを入れてさ、「あの内容は本編のここに繋がるんだ」ってことにしたっていいわけですよ。俺たちって、いつもそういう作り方や展開の仕方をしてきたので。
山口　そうだね。
本宮　今回氷室の息子を出したことによって、またいつでも子供を出せる状況にもなった。シリーズに１回出てきた人は、なるべくその先の物語にも役が繋がっていくようにしたいと思っているんです。そういう本作りを今までもしてきているので。今回、また１つ物語のピースが増えたということにも大きな意味があると思っています。この先の展開も、乞うご期待ください。

上映情報
映画『氷室蓮司』は全国の映画館で公開中

プロフィール
もとみや・やすかぜ　1972年2月7日生まれ、東京都出身。ネオVシネ四天王の一人。最近の主な出演作に、「日本統一」シリーズ、「CONNECT -覇者への道-」など。公開待機作に、『鬼平犯科帳 血闘』（5月10日公開）がある。