加藤和樹主演の舞台『裸足で散歩』のプレビュー公演が、9月13日に東京・よみうりホールで開幕。公開ゲネプロおよび取材会が行われた。
本作は、アメリカ・ニューヨークを舞台に新婚夫婦と新居のアパートに暮らす変わり者の住民たちが繰り広げるニール・サイモンによるコメディー。
1963年にブロードウェーで初演され、67年にはニール・サイモン自身が脚色し、主演にロバート・レッドフォード&ジェーン・フォンダ、舞台演出を担当したジーン・サックスが監督を務める映画が公開され、ラブコメディーの名作として世界中の人から愛されている。
加藤が新米弁護士・ポールを演じ、その妻・コリー役は今作が初舞台となる高田夏帆が務める。電話会社の男役に本間ひとし。変わり者の住民の一人、ビクター・ベラスコ役に松尾貴史。コリーの母バンクス夫人役は戸田恵子が演じる。
開幕に際し、キャストからのコメントが届いた。
[加藤和樹コメント]
お客さまが劇場に入ってクスクスという笑い声がもれてしまうような幸せな空気が、この劇場を支配すればいいなと思います。この作品は、僕が演じるポールと高田さん演じるコリーのどたばたコメディー。本当に、気軽に見ていただけるはずです。作品に出てくるキャラクターは個性的なキャラばかりなので、登場人物が何をするのかと楽しみにお越しいただけたらと思います。本作のために作られた僕と高田さんが歌うテーマ曲は、耳なじみもよく、翻訳の福田さんの作詞によって、『裸足で散歩』の世界観をシンプルかつ的確に描いている曲です。アフターイベントなどでは歌いますが、本編では歌いませんのでご注意を(笑)。 この状況下ですので、劇場に足を運ぶのを躊躇(ちゅうちょ)される方もいらっしゃると思いますが、小さな幸せ、小さな笑いで心を豊かにさせる作品になっていますので、ぜひぜひ劇場へお越しください。
[高田夏帆コメント]
いよいよ公演が始まるとはいえ、まだまだ未完成な私のコリーですが、逃げ出さずにここに立つことができてよかったなと。来てくださるお客さまとここにいるキャストの皆さまとで、すてきな作品をこれから作っていけたらいいと思います。私はこれが初舞台なので、これからどうなるか分かりませんが(笑)。お稽古場では、大先輩方の姿勢から学ぶことが大変多かったです。背中を見て勉強させていただきました。テーマ曲は、お芝居の中でも歌いたくなってしまうような、体にすっとなじんでくる、キャッチーなメロディーでかわいらしい歌だなと思いました。歌うこともワクワクします。
[本間ひとしコメント]
実はNYに行ったことがないのですが、この作品を通し、お芝居を通してNYを体験している気がしています。個性的なキャストの皆さんと同じ空気の中でお芝居できることが幸せで、ただ自分も含めて何が起きるか分からないという(笑)。お客さまにもぜひ楽しんでいただけたらと思っています。
[松尾貴史コメント]
自分が演じるベラスコという役は、よく分からない人で、変人のおじさんのため、全く役作りをしておりません(笑)。そのため、マイペースにお芝居をしていますが、他のキャストの皆さんのキャラと、何かうまい具合に凸凹のピースが合うようなムードが出来上がっています。お客さまが劇場に入ったらどのような空気になるのか、とても楽しみです。
[戸田恵子コメント]
この作品は、古きよきニューヨークの時代のほっこりしたお話です。NYに行ったことがある人もない人にも、懐かしさを感じていただけると思いますし、少しでも元気になって帰っていただけると思います。実は38年前に娘のコリーを演じたことがあるのですが、今回のお話を頂いた時、またコリーを演じるのかとびっくりしました(笑)。でも、頂いたのは母親役でして、これまでこんなに保守的な人物の役を演じたことがなかったのですが、挑戦してみようと思ってお引き受けしました。最後までトライしていい母親を演じたいと思います。
今後は、東京公演が9月17日(土)~29日(木)まで自由劇場にて。以降、兵庫、大阪、神奈川、東京多摩公演あり。
撮影◎岡千里