草川 シンみたいな高校生は現実世界にはいません、絶対に!
西垣 いないですね(笑)。
草川 あんな攻めるタイプの子、どこ探してもいないと思う。すごく貴重な存在だと思いますよ。
西垣 僕も演じてて、「本当にこんなことするか!?」と思いながらやっています(笑)。見ていただけるのが本当に楽しみです!
――湊は地元にUターンをして地元の人に愛されている存在、シンは大家族で兄弟の面倒見も良い人物。周囲の人との関わりが丁寧に描かれる本作ですが、お二人が人との関わりで大事にしていることは?
草川 僕、初めましての方からの最初の印象があまり良くないみたいで、怖いって言われるんですよ(笑)。自分の中では全然そんなつもりはないんです。ただ朝が弱いだけで…(笑)。メイクして「よし!」ってなるとスイッチが入るというか。そういうところは改善していこうと思います。あとは、日々感謝を忘れずに思いやりを持って人と接することを心掛けています。
――西垣さんは?
西垣 僕は人との距離感を大切にしています。仲が良い役なのか敵対している役なのかで役者さんとの距離も考えたりしますし。あとは自分も周りの人もお芝居がしやすいようにスタッフさんとも積極的にコミュニケーションを取って、100%のパフォーマンスをできるような環境づくりをするようにしています。うまくコミュニケーションを取って距離感を縮めて、お芝居のことでもプライベートのことでも話しやすい人になれるよう心掛けています。
――草川さんは初対面の方に怖く思われるとおっしゃっていましたが、西垣さんは草川さんに対してどんなファーストインプレッションを?
西垣 全然怖いなとは思いませんでした。でも、どちらかと言うと静かなタイプの方だなと思いましたね。役の関係性的にもシンから湊さんに行く場面がすごく多いので、僕から積極的にコミュニケーションを取ることでお芝居に作用する部分もあるだろうなと思ったので、最初からたくさん話し掛けていましたね。
――西垣さんに対しての印象は?
草川 本当に5つ下とは思えないくらいしっかりしています! どこを切り取ってもずっとシンでいてくれているから、とても助けられました。演じている時はやっぱり、シンとしての攻めの姿勢があって、どちらかと言うと僕が受け身ではあるんですけど。普段はすごくかわいくて、弟のような感じですね。
――お互い演じている中でドキッとしたシーンはありましたか?
草川 もう…ありまくりますね(笑)。
西垣 えっ!
草川 まず、この作品ってドキッとしないシーンがないんですよ。コメディー要素で終わるシーンもありますが、それも含めて常にドキドキさせられるんです。ネタバレになるのであまり詳しくは言えないんですけど、シンが湊のことを助けて「湊さん大丈夫ですか?!」と言って見つめるシーンがあったんです。もう~…あれがカッコよ過ぎて! そこは匠くんオンリーのカットだったので僕はシンの目線の先にいる形で撮影に立ち会っていたんですけど、あの瞬間だけは草川拓弥になっちゃいましたね(笑)。なんかあまりにもカッコよ過ぎて笑っちゃったんですよ。それをその場で匠くんに伝えたら「イジらないでくださいよ」と言われてしまいましたけど。僕全部いじってないですからね?
西垣 天の邪鬼なんで…すみません(笑)、
草川 ほんとにカッコいいなと思う瞬間がたくさんありました。
――ストレートに“壁ドン”などもドキッとしそうです。
草川 しますね! でもいわゆる“壁ドン”とかのシーンでも、多分匠くんなりのこだわりがあるんだなと感じる瞬間があって。例えばですけど、単純に距離感の難しさってあるじゃないですか。壁にドンっと手を突いて、顔を近づけたり…とかって難しそうなイメージがありますけど、匠くんはピンポイントで決めてくるから。どうやって練習したんだろう?って思いました。
――どうやって練習したんですか?
草川 アハハ! 聞いちゃいます?(笑)
西垣 どうやって練習したんですかねぇ(笑)。恥ずかしいですけど、鏡の前でやってみたり、動画を撮ってみたりもしました。目線の動きにもこだわりたかったから。でも、距離感についてはそんなに難しいことはしてないです(笑)。例えば、「しっ」って相手の唇に指を当ててセリフを止めたりする時は、気持ちの流れを意識しました。シンに段々と芽生える独占欲だったり、聞きたいことがあるのに湊さんばかりしゃべるからちょっと遮ってやろう、とか。そういう思いの結果として“口を止める”という動きが出てくるので、変に役の動きを意識したりはしないですね。
――逆に、西垣さんが草川さんのお芝居を受けてドキッとした瞬間は?
西垣 湊さんって、どの瞬間も仕草や反応がかわいいんですよ。ざっくり言うと“ドギマギする”感じで。しかも、どのシーンも違った受け取り方をしてくれるんです。その時の状況に応じて湊さんが慌てたり照れたりするのを見るのが楽しいんですよね。僕がこう言ったらこういう反応するんだっていう部分が見て分かるから、かわいらしいなと思うし…キュンとしますね。