手塚治虫原作漫画を舞台化したミュージカル『アラバスター』が、6月25日に東京・東京芸術劇場プレイハウスで開幕した。
本作は、美しく繊細な世界観に定評のある演出家・荻田浩一が長年温めてきた、手塚治虫原作の「アラバスター」をベースに生むオリジナルミュージカル作品。美しいものをねたむ人間の深い心の闇を鋭く描いたSF犯罪サスペンスを、荻田は人間の奥底に潜む「報復、憎悪の心」と「ゆがんだ愛」を主題とし、欲望が渦巻く世界でほんろうされる人々の運命を描くミュージカルに仕上げた。
主人公のアラバスター役をLE VELVETSの宮原浩暢が務めるほか、古屋敬多、矢田悠祐、AKANE LIV、馬場良馬らが脇を固める。ヒロインの亜美役は、涼風真世が務める。
初日公演のスペシャルカーテンコールでの、宮原らメインキャストのコメントをお届けする。
[アラバスター役:宮原浩暢コメント]
自身初めてのタイトルロールということで、涙が出るほどうれしいです。演出の荻田さん、スタッフ関係者の皆さん、力強い演技で盛り立ててくれているキャストのみんな、いらしてくださっているお客さま、本当にありがとうございます。こんなに幸せでいいのかと思いながら悪いやつを演じています。作品としては、ヒロインが透明人間、そしてアラバスターが半透明という非現実的な作品ですが、それぞれが熱く演じて生命力あふれる作品になっています。何が美しくて、何が醜いのかを求め続けていきたいと思っています。二度、三度味わっていただけたら『アラバスター』の沼にハマっていくと思います。
[ゲン役:古屋敬多コメント]
『アラバスター』という作品に出合えて幸せです。そして、この素晴らしいキャストに出会えて幸せです。荻田先生の素晴らしい人柄と、お仕事に触れてとても幸せです。憎しみがいっぱいの作品ではありますが、裏で愛情いっぱいで包んでくださったスタッフの方に出会えて幸せです。ハピネス!
[ロック役:矢田悠祐コメント]
ロックを見て、「なんやこいつ」と思われたと思いますが、矢田悠祐自体はそういうやつではないですから。これは役でやっています(笑)。ロックという役は嫌われてなんぼだと思うので、「人をイラだたせる100の方法」を考えながらロックを作ったので、思う存分嫌っていただいて、でも、矢田悠祐は応援していただけるとうれしいです。千秋楽まで思う存分、自分がされて嫌なことをしていきたいと思います。
[小沢力仁役:馬場良馬コメント]
僕が演じるお兄ちゃんは、原作では「カニ平」という役ですが、今回の荻田先生の世界観で「カニ平です」というと世界観を崩してしまうと思ったので、今回、新しい名前を頂いてよかったなと思っています。大阪公演まで力仁として精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
[小沢ひろみ役:AKANE LIVコメント]
音楽も物語も聴けば聴くほど、見れば見るほどやみつきになると思いますので、二度、三度、四度、五度とお越しいただければと思います。
公演は7月3日(日)まで同所にて。7月10日(日)に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。
©ミュージカル『アラバスター』製作委員会/岩田えり