2010年7月10日、つかこうへい氏がこの世を旅立って12年の時が流れた。
だが、演劇界の巨星が消えても熱海殺人事件の伝説は続いている。紀伊國屋ホール58年の歴史の中で、最も上演回数の多い作品であるつか氏の『熱海殺人事件』は、73年の発表以降、翌年に岸田戯曲賞を授賞、後に映画化されるなど、日本の演劇史上プロアマ問わず最も愛され上演され続けている作品(推定累計8,500ステージ)だ。
今春、十三回忌を迎えるに当たり『「新・熱海殺人事件」ラストスプリング』の上演が決定した。
注目のキャストは?“東京警視庁にその人あり”と言われた木村伝兵衛部長刑事は、17年~21年の4シーズンにわたって同役を演じた、つか作品のニューリーダー。今、最も注目される俳優の味方良介 。捨て身の潜入捜査を行うヒロイン水野朋子婦人警官は、今年2月に乃木坂46を卒業し今後の活躍に注目が集まる新内眞衣。
東京警視庁に転任して来る熊田留吉刑事は、『いつも心に太陽を』『広島に原爆を落とす日』『新・幕末純情伝』といったつか作品はもちろん、『あずみ』『フラガール』など岡村演出作品にはかかせない存在の高橋龍輝が、今度は『熱海殺人事件』に初挑戦する。
そして犯人・大山金太郎は、小劇場から2.5次元作品まで活躍の幅を広げる一色洋平 。
演出は、11年から12年にわたり紀伊國屋ホールでの『熱海殺人事件』をプロデュースし続けている岡村俊一が当たる。
[味方良介コメント]
伝統ある紀伊國屋ホールで、5度目の木村伝兵衛とは自分自身も驚きです。この機会にもう一度この作品に真正面から向き合って、僕らの熱海殺人事件を作り上げます。
[新内眞衣コメント]
昨年経験した「熱海殺人事件」をもう一度演じられるなんて、夢のようです。しっかり水野朋子を生きたいと思います!
公演は3月31日(木)~4月3日(日)まで、東京・新宿の紀伊國屋ホールにて。