歌舞伎役者の市川猿之助が率いる澤瀉屋一門のメンバーとゲスト出演の尾上右近、加えて猿之助のスーパー歌舞伎を支えてきたメンバーたちで、今年9月に京都芸術劇場「春秋座」で新たな演劇プロジェクト「猿之助と愉快な仲間たち」の第一回公演を上演する。
上演作品は、累計150万部突破の浅田次郎の人気シリーズ「天切り松 闇がたり」。これを猿之助、右近、石橋正次ほかが朗読劇『天切り松 闇がたり~闇の花道~』として上演する。
大正・昭和の帝都に名をはせた義賊「目細の安吉」一家の活躍を描くこの物語。夜更けの留置所に現れた不思議な老人は、六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で遥かな昔を語り始める…。
今や失われつつある粋で小気味の良い「江戸ことば」で、猿之助はじめ「愉快な仲間たち」が富裕層のお宝だけを狙い、貧しき人には救いの手を差し伸べる。義理と人情を重んじ、江戸の粋を体現したかのような「安吉一家」の胸のすく活躍を「闇がたり」によって現代へよみがえらせる。
また、朗読劇の後には、来場した観客の皆さまにも「愉快な仲間たち」入りをしていただき、場内に設置された「仲間箱」に何でも聞きたいこと、日頃疑問に思うことや軽めの人生相談などを投稿してもらい、猿之助たちが回答するというアフターイベント「猿之助と愉快な仲間たちと語りまショー」も開催予定だ。こちらも乞うご期待!
[市川猿之助コメント]
今回、猿之助と愉快な仲間たちと題して、朗読劇を行う運びとなりました。残念ながら、コロナ禍がもはや日常となっている今では、ただただ立ち止まるのではなくさまざまな制約の中でできる限りのことを模索し、やっていくしかありません。ということで、第一回の公演として、朗読劇を上演いたします。題材は、浅田次郎先生の大人気シリーズ「天切り松」です。あの独特な文章のリズム、描かれる時代の雰囲気は、闇がたりとあるように、まさに言葉で紡ぎ出す音の世界にぴったりな作品であると思います。尾上右近さん、石橋正次さんをはじめ、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』『オグリ』で共演したすてきな仲間たちと送る、浅田次郎先生の描かれた心温まる人情の物語。現実をしばし忘れ、せめて劇場にいる一時、あやしくもまた不思議な世界にお遊びいただければ幸いでございます。
公演は9月6日(月)~8日(水)まで京都・京都芸術劇場 春秋座、9月22日(水)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールにて。