黒澤明の日本映画史に残る伝説の作品『酔いどれ天使』が、今秋舞台化されることが決まった。9月に明治座、10月に新歌舞伎座にて上演される。
日本をはじめ世界中に大きな影響を与えた名匠・黒澤明と、その多くの作品で主演を務めた三船敏郎の二人が初めてタッグを組んで、1948年に公開された映画『醉いどれ天使』。戦後の混沌とした時代に生きる人々の葛藤をいきいきと描き、今なお傑作として圧倒的な支持を集めている名作だ。公開当時、映画界の大規模な労働運動により窮状に陥っていたスタッフや俳優たちを救うため、黒澤を中心に劇団が編成され、舞台化した記録が残っている。数年前に発見された脚本からは、黒澤が逆境をはねのけ、映画同様に舞台としても最高の作品を創り出そうとしたことが伝わってくる。この黒澤の思いを受け継ぐべく舞台化へと動きだし、そして今秋、日本映画史上最強コンビの原点ともいえる作品が満を持してよみがえる。
演出は、黒澤同様海外での評価も高い三池崇史。脚本は演劇界のみならず映像作品でも活躍する蓬莱竜太が務める。出演は桐谷健太、高橋克典、佐々木希、田畑智子、篠田麻里子、髙嶋政宏ら個性豊かなキャストが結集した。解禁されたビジュアルには、まるで映画の1シーンを切り取ったかのような躍動感あふれるキャストの姿が映し出されている。
公演は9月3日(金)~20日(月)まで東京・明治座、10月1日(金)~11日(月)まで大阪・新歌舞伎座にて。