――Wキャストのお二人。お互いに、これだけは負けないと思うところは?
向井地 稽古場でご飯を食べる回数とか?(笑)
能條 私も本当は、ご飯めっちゃ食べるんだよ?
向井地 え! なんで稽古中食べないんですか?
能條 だってみんな食べないからさ…。
向井地 そう! 誰も食べないんですよ、ご飯を。みんなグミとかゼリー飲料とか食べていて。
能條 美音ちゃんだけなんですよ、ちゃんとした握り飯を毎日食べているのは。
向井地 にぎり飯(笑)。私は休憩時間になったらおにぎりを食べるようにしていて。誰も食べないから不安になっちゃって。だから、稽古中のご飯食べる回数は負けないかな(笑)。
能條 ふふふ。
――能條さんは我慢しているのですか?
能條 本当は食べたい。全然食べたいです…!
向井地 食べましょうよ〜(笑)。
――能條さんが負けないところは?
能條 もともとの声も低いし、中身が割とさっぱりめな感じなんですよ。だからお芝居していて、勇ましい感じは自然と出ているんじゃないかと思うんです。そして、お芝居で力むとよりその勇ましさが増すので、そこは負けない気がします(笑)。
――改めて、ご自身の水野バージョンの公演の魅力を教えてください。
能條 歴史ある作品で、何十回と公演されてきた『熱海殺人事件』。今までいろんな女優さんが演じてきて、それだけいろんな水野が生まれてきたと思うんですけれど。せっかく今回、こけら落とし公演で、紀伊國屋ホールで『熱海殺人事件』という特別な公演ですので、私にしかできない水野を、今までになかった新しい水野像を、しっかりと提示していきたいです。普通の人だったらこのセリフはこう言うだろうなという部分を、「私だったらこういうふうに言ってみせる」という気概を持って演じたいです。そういう思いを今回この公演でたくさん提示して、「今までにない水野を見ることができた」とお客さまに思ってもらえたらうれしいです。
向井地 私の演じる水野は、この舞台のファンの方にとっては真逆のイメージのキャラクター像になっているとは思うんです。だからこそ部長も何となく、今までの舞台よりもちょっと、水野に対して優しく接しているように見えたりとか(笑)。熊田(多和田任益)との絡みも、今までにない“子ども同士のケンカ”みたいな雰囲気があったり(笑)。クスッと笑える部分と真面目な部分の差というものを、私の演じる水野が子どもっぽいことによって、際立たせることができるんじゃないかなと思います。喜怒哀楽を激しく届けて、見てくださる方に伝わるようにやっていきたいなと思っています。舞台経験自体は本当に少ないんですけど、こういうお芝居もできるんだって思ってもらえるように頑張って演じます!
のうじょう・あみ 1994年10月18日生まれ、神奈川県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル『ポーの一族』など。
むかいち・みおん 1998年1月29日生まれ、埼玉県出身。「AKB48 THE AUDISHOW」に出演予定。
『新・熱海殺人事件』
作:つかこうへい
演出:中江功(フジテレビジョン)
会場:東京・紀伊國屋ホール
公演期間:6月10日(木)~21日(月)
出演:荒井敦史、多和田任益、 能條愛未、向井地美音、三浦海里、松村龍之介、愛原実花(ゲストヒロイン)
R(チームRED):水野朋子…能條愛未、大山金太郎…三浦海里
W(チームWHITE):水野朋子…向井地美音、大山金太郎…松村龍之介
文◎田中莉奈