ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』が、新キャストで2年ぶりに5月、6月に東京、7月に大阪にて上演することが決定した!
2001年にフランスで生まれ、世界20カ国以上で600万人以上を動員。日本では10年に宝塚歌劇団によって初演され、その大反響を追い風に、翌11年に日本オリジナル版として新たに誕生したのが、このミュージカル『ロミオ&ジュリエット』<日本オリジナルバージョン>。19年以来の上演となる今回、このメガヒット作の記念すべき初演から10周年を迎える。
敵同士の家に生まれながら運命的な恋に落ち、争いの終結を願いながら、ひたむきに互いを愛したロミオとジュリエット――。言わずと知れたシェイクスピアの名作が原作だが、さらに本ミュージカルは“ティボルトの従妹ジュリエットへのひそかな恋情”“ロミオに恋人の死をベンボーリオが伝える”といったオリジナルの設定を加え、登場人物の葛藤をより繊細に描いている。特に全編を通じて登場する“死のダンサー”の存在感は強烈で、これによって愛と死、破壊と再創造といった哲学的テーマを表出させた点も大きな特長だ。
この日本オリジナルバージョンの魅力は、何といっても、ヒットメーカー・小池修一郎の手腕を抜きには語れない。『エリザベート』『モーツァルト!』などを手掛けた日本初演作は軒並み大ヒットし、近年では『ポーの一族』『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』といった名作の世界初のミュージカル化も成功裏に収めている小池。本作『ロミオ&ジュリエット』でも、迫力の歌とダンスで若者の疾走感と感受性を巧みに表現し、17年の新演出からは“近未来を思わせる、破壊された世界で起こる物語”という設定を据え、この世の荒廃とその中でなおきらめく愛の崇高さをより鮮明に浮かび上がらせた。
また、彼の演出作品を通じてジャンプアップした俳優は数多く、過去のロミオ役を翻っても城田優、山崎育三郎、柿澤勇人、古川雄大、大野拓朗ときら星のごとき俳優たちが並び、ジュリエット役には昆夏美、フランク莉奈、清水くるみ、生田絵梨花、木下晴香、葵わかなと本格的ミュージカル女優としての第一歩を踏みだす機会をつくり出している。
そのロミオ役に今回配されたのは、黒羽麻璃央と甲斐翔真という気鋭の若手たち。19年の本作上演ではマーキューシオ役として若さの危うさを瑞々しく表現した黒羽は、代表作であるミュージカル『刀剣乱舞』の三日月宗近役のほか、昨年ミュージカル『エリザベート』の暗殺者ルキーニ役、ミュージカル『るろうに剣心京都編』の悪のカリスマ・志々雄真実役と次々難役に抜てきされ(いずれも公演中止)、次代を担うと期待される注目株だ。片や甲斐は昨年『デスノートTHE MUSICAL』で初舞台にして主人公・夜神月役を堂々務め、その後もミュージカル『RENT』でHIVポジティブのミュージシャン・ロジャー役、ミュージカル『マリー・アントワネット』で王妃の恋人フェルセン役と大役に挑み続けている、今がまさに伸び盛りの新星! 一方のジュリエット役には、伊原六花と天翔愛というフレッシュな二人を大抜てき。伊原は、高校時代にはダンス部のキャプテンとしてバブリーダンスで一世を風靡(ふうび)。18年からドラマやCMで活躍するほか、昨年は『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3のマリア役(公演中止)にも配され、これからが楽しみな逸材。一方の天翔は藤岡弘、の長女として幼い日から父の薫陶を受け、現在は音楽大学で実力を磨きながら、夢であるミュージカル出演をかなえたまさにシンデレラガールだ。
さらに、ベンボーリオ役に味方良介と前田公輝、マーキューシオ役に新里宏太と大久保祥太郎、ティボルト役に立石俊樹と吉田広大、死のダンサーに小㞍健太とKバレエカンパニー所属の堀内將平といずれも魅力的なWキャストが集った。キャピュレット夫人に春野寿美礼、乳母に原田薫、ロレンス神父に石井一孝、モンタギュー卿に宮川浩、モンタギュー夫人に秋園美緒、パリスに兼崎健太郎、ベローナ大公に岡幸二郎、キャピュレット卿に松村雄基と豪華な顔ぶれがそろう。彼らが10周年の節目にどのような新風を巻き起こすのか、期待したい。
[黒羽麻璃央コメント]
僕にとっての『ロミオ&ジュリエット』は、大きなテーマとしての“愛”はもちろん“出会い”をもたらす作品です。前回は小池修一郎さん、出演者の皆さん、そして今回はロミオ役。前回出演した時にロミオを演じる二人にひそかに嫉妬して、いつか演じたいと思っていたので、今回夢がかないました。自分がこの先、俳優という仕事を続けていく上で、看板になる役であり作品だと思っています。歴代のロミオ役はいまやミュージカル界のトップにいる方々ばかりでプレッシャーはありますが、それこそも楽しめる自分なりのロミオを創っていきたいです。2021年版として新しく生まれ変わります。この時代にとてもピッタリな“愛”をテーマにした作品ですので、ぜひお越しください。
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