恩田陸作「蜜蜂と遠雷」がシンフォニー音楽劇として、中山優馬主演で舞台化が決まった。「蜜蜂と遠雷」は2017年に年間ベストセラーとなり、直木賞・本屋大賞に輝き、音楽をテーマにした小説として累計100万部を超えた数少ない作品で、2019年10月には松岡茉優、松坂桃李らで映画化されるなど話題となった。
物語は、世界的コンクールに出場するで若きピアニストたちや彼らを取り巻く人々の心情が描かれ、超絶技巧を要する数々のクラシックのピアノ曲の名曲演奏と共にコンクールファイナルへ向けてドラマが展開される。
映画に先駆けて2018年1月以来数回、オーケストラと共にリーディングとオーケストラコンサートとを融合して公演を行い好評を博してきた。今回はさらにバージョンアップ=歌と芝居とピアノ演奏をコラボレーションした新たな音楽劇として披露し、「蜜蜂と遠雷」という音楽小説の世界観を舞台上でのリアルな作品としてよみがえらせる。
出演は、物語の鍵となる登場人物で重要なファクターとなる主人公、無頼派ピアニストの風間塵を中山優馬が演じる。風間と同じくコンクールに出場し圧巻のテクニックで魅了するピアノの貴公子のマサル・カルロス・レビ・アナトール、幼い頃から天才肌で将来を嘱望される女性ピアニスト・栄伝亜矢、最年長ピアニスト・高島明石らの配役には実力派俳優の布陣を予定していて後日発表される。
注目は、これまでも舞台などでピアノ演奏を披露してきた中山優馬が、本作では劇中で名曲「サティ:ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)」をピアノで演奏すること。オーケストラとは初めて舞台上で共演となり、壮大な音楽と共に歌や芝居がドラマティックに展開されていく。
[中山優馬コメント]
僕の中でのピアニストの印象は、孤高で神秘的です。それは音楽という目には見えない正解のない答えを探して日々悩み情熱を注いで、一瞬ともいえる演奏のその時に全力をぶつける姿がとても美しいからです。蜜蜂と遠雷。この作品にはその情熱と神秘さが溢れていると思います。歌と芝居とピアノ演奏。それとオーケストラが今回は融合する音楽劇ということで、初めての経験です。舞台も一期一会だと思っています。上演時間のその一瞬ともいえる時間に自分の全てをぶつけたいと思います。人とコミュニケーションを取ることが難しい今、音楽という不滅の力でつながりましょう。同じ空間で共有できることを楽しみにしております。全力を尽くします。
シンフォニー音楽劇『蜜蜂と遠雷』~ひかりを聴け~ は、3月27日(土)~4月11日(日)神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<ホール>、4月17日(土)、18日(日)大阪・新歌舞伎座、5月1日(土)~5月3日(月)福岡・博多座にて。