新型コロナウイルス感染拡大の影響による休館から約4カ月、東京・Bunkamuraシアターコクーンが、いよいよ始動する。それは、初めてのライブ配信だ。
「劇場から演劇を発信したい、劇場の空気を感じてほしい」と考えていたシアターコクーンと、ICTを活用した文化芸術振興にかねてから取り組んでいるNTT東日本の協力により実現したこの企画は、今までの舞台中継とは一味違う、“ライブ配信のための演劇”を模索し、映像とライブパフォーマンス両方の“いいとこ取り”な作品を目指すもの。
そしてその鍵を握るのは、シアターコクーン初登場となる若きアーティストたち。歌舞伎から現代劇まで多彩な演目にシャープな目線で斬り込む杉原邦生。劇場機構を大胆に使ったパフォーマンス作品「インターンシップ」を始め、空間の環境的文脈をたどり、その根幹にあるものを描き出す梅田哲也。さらにBaobabの北尾亘、角銅真実ら7名のミュージシャンも加わって、劇場に新しい風を吹き込む。
そのスタートは、シアターコクーンでの上演が初めてとなる岸田國士の数々の戯曲。その中から、まずは、今年生誕130周年を迎える日本の現代演劇の父、岸田國士の「恋愛恐怖病」を軸にした、ライブ配信のための作品『プレイタイム』。とある男女が、たわいない会話を重ねスリリングに関係を変えていく様を、シアターコクーンでは『プルートゥ PLUTO』『メトロポリス』『オイディプス』などに出演、国内外のアーティストと挑戦的な作品作りを続ける森山未來と、確かな演技力と柔軟な発想力で幅広く活躍、多くのクリエーターから厚い信頼を得ている黒木華が演じる。
[シアターコクーン・ライブ配信『プレイタイム』]
原作:岸田國士「恋愛恐怖病」ほか
構成・演出:梅田哲也
演出・美術:杉原邦生
出演:森山未來 黒木華 北尾亘
演奏:角銅真実 秋生智之 ハラナツコ 竹内理恵 巌裕美子 千葉広樹 古川麦
眠っていた劇場に、次第にスタッフが集まり仕事を始める。すると、空っぽの劇場に俳優の声が響き渡り、岸田國士の作品世界が立ち上がっていき……。
本作では観客の記憶にある劇場、カメラが捉える劇場、演劇に満たされていく劇場など、シアターコクーンの多彩な表情にアプローチ。
普段は見ることができない機構や空になった舞台、舞台裏やスタッフまでをも作品に取り込み、「演劇とは何か」という問いに思いを巡らせながら試行錯誤を繰り返し目指す、新しい観劇体験にご期待を。
- イープラス「Streaming+」ライブ配信チケット
- ※配信チケットはイープラスのみの取り扱いです。
ライブ配信日:7月12日(日) 後7.30スタート
チケット料金:¥2,273+税
チケット発売日:7月9日(木)前10.00
チケットお申込み:http://clk.nxlk.jp/XeNqOyWn
※ご利用には「e+(イープラス)」への会員登録が必要となります(入会金・年会費は必要ありません)。
配信チケットに関するお問い合わせ:http://clk.nxlk.jp/UJX5Iw05