8月10日(土)、「NHKスペシャル #あちこちのすずさん」(NHK総合 午後9:00~)が放送される。このほど取材会が行われ、番組に出演するHey! Say! JUMPの八乙女光と伊野尾慧が出席し、戦時中の話を聞きに行ったロケ撮影について語った。
NHKは6月から「#あちこちのすずさん」キャンペーンを行ってきた。これは、戦争のつらい記憶ではなく、食べ物、遊び、オシャレ、恋の話…といった身近な暮らしのエピソードを広く募集するもの。戦時中は、アニメ映画『この世界の片隅に』の主人公・すずさんのように、多くの人が懸命に暮らしていたはず。それをイラストやアニメにすることで、若い世代とも「戦争の記憶」を共有していこうというものだ。「あさイチ」「クローズアップ現代+」、そしてラジオ第1「らじらー!」など、NHKの各番組が枠を超えて連動。番組サイトやツイッター、インスタグラムで、エピソードを広く募集してきた。
八乙女と伊野尾は、10~20代に人気のラジオ番組「らじらー!」(毎週土曜 午後8:05~)のパーソナリティを務めている。同番組で「#あちこちのすずさん」をテーマに募集したところ、リスナーがひいおじいちゃんやひいおばあちゃんなど身の回りにいた人から戦時中の実体験を聞いた話が、300通も集まったという。
二人は今回の「NHKスペシャル」のために、戦時中を生きた人たちに直接会いに行くロケ撮影を実施。番組内でそのVTRが紹介される予定だ。
八乙女は、「戦時中にどんな物を食べていたのか?」について話を聞きに三重県へ。「お会いしたおじいさんから、戦時中は食べられる野草は何でも食べていたと聞いて。取材が始まってすぐ、道を歩きながら“これも食べられるんだよ”と、足元のヨモギを取って何の躊躇もなくパクッと食べたのには驚きました」(八乙女)
伊野尾は、戦地の兵士と手紙(慰問文)を交わし続けた、90代の女性に会いに大阪へ。実際に兵士から届いた手紙を見せてもらう。「僕も自分のおじいちゃんおばあちゃんから戦争の話を聞くことはありましたけど、やはり戦争を経験した当事者の方から話を聞けるのは、本当に貴重な機会でした。とても勉強になりましたし、今僕らが当たり前に持っている価値観が、当時とは違うんだということにハッとさせられました」(伊野尾)
放送当日は、「NHKスペシャル」と「らじらー!」がコラボした生放送となる。「らじらー!」は通常どおり午後8:05にスタートし、午後9:00からは「NHKスペシャル」のテレビスタジオ内にラジオブースが設けられ、総合テレビとラジオ第1が同時放送を行う。番組を通じて、きっと多くの視聴者が戦時中の暮らしに思いを馳せ、平和とは何かを考えてみるきっかけになることだろう。
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会