2021年4月〜5月にシアタークリエほか各地にて、ケラリーノ・サンドロビッチ作のKERA CROSS第三弾『カメレオンズ・リップ』の上演が決定した。
近年、演劇界での名だたる賞を立て続けに受賞し、2018年秋紫綬褒章受章、2019年第26回読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞を受賞するなど、その勢いにとどまることを知らない劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロビッチ(KERA)。30年以上の執筆活動の中で、ナンセンス・コメディーをベースにしながらも、一つの作風にとどまらず鮮やかに変遷し、一人の作家が産み出したとは思えない多様な作品を世に送り出してきた。
2019年、その数々の戯曲の中から選りすぐりの名作を才気あふれる演出家たちが異なる味わいで新たに作り上げるシアタークリエ連続上演シリーズ「KERA CROSS」がスタートした。
2019年第一弾『フローズン・ビーチ』(演出:鈴木裕美)、2020年第二弾『グッドバイ』(原作:太宰治、演出:生瀬勝久)に続き、第三弾として2021年に『カメレオンズ・リップ』を河原雅彦演出で上演する。
『カメレオンズ・リップ』は、2004年に堤真一、深津絵里などのキャストでBunkamuraシアターコクーンにて初演されて話題となった作品だ。20世紀初頭、ヨーロッパの古びた山の邸宅を舞台に、謎の死を遂げた姉に瓜二つの使用人と暮らす男、そこに集ってくる亡き姉の夫、元使用人、医師、姉の友人などさまざまな人々がそれぞれにうそをつき、だまし合い、事態を混乱させ、破綻してゆく……まさに予測不可能のクライム・コメディーだ。
本作に、華やかさと毒を含み心情に刺さるエンターテインメントを生み出す演出家・河原雅彦が挑む。音楽は東京事変、the HIATUSのメンバーとして活躍する作曲家・キーボーディストの伊澤一葉。KERA脚本、河原演出の刺激的なコラボレーションが期待される。
キャストには、舞台、映像、音楽などさまざまなフィールドで活躍し、ドラマ『スカーレット』『#リモラブ〜普通の恋は邪道〜』などでも話題の松下洸平、乃木坂46出身で数々の舞台作品に出演し、『すべての犬は天国へ行く』に続きKERA戯曲への出演となる生駒里奈、女優として、音楽アーティストとしてキャリアを重ね、バラエティ番組でも八面六臂(ろっぴ)で活躍中のファーストサマーウイカ、華やかさと卓越した演技力で多くの舞台作品に出演する岡本健一といった話題のキャストをはじめ、多彩な実力派が一堂に会した。
計算で割り切れないだまし合いの先に、何が待っているのか。客席で翻ろうされるのが楽しみだ。
[松下洸平コメント]
KERA CROSS『カメレオンズ・リップ』に出演させていただきます。お話を頂いてからすぐに戯曲と初演のDVDを拝見し、いくつもの言葉の中に散りばめられたうそと本当に、その傍観者である僕は飲み込まれました。グルグルと回るストーリーを楽しんでいただけるよう、精一杯ルーファスを演じさせていただきます。KERAさんの脚本、そして演出の河原さん、共演者の皆さまと新しい『カメレオンズ・リップ』を作れるように精進して挑みます。
[生駒里奈コメント]
このたびエレンデイラ/ドナ役としてこの作品に参加させていただきます、生駒里奈です。KERAさんの作品は『すべての犬は天国へ行く』と言う作品を演じて以来2度目となります。その際、KERAさんご本人が見に来てくださったのですが、「もう少し稽古の時間があればよかったね」という言葉を頂いたのを覚えています。その言葉がずっと私の中にあり、その時の気持ちをプラスにできる日を待ちわびていました。今回お話を頂き、初演を拝見し、以前同じ役を演じられたのが深津絵里さんと知り、いろいろな意味でプレッシャーを感じましたが、この作品をやることが私にとって大きな力になると確信しました。お客さまにすてきな時間をお届けできるように精一杯努めます!!
公演は2021年4月2日(金)〜4日(日)まで東京・北千住シアター1010、4月14日(水)〜26日(月)まで東京・日比谷シアタークリエにて。5月中旬まで大阪、名古屋ほか各地公演あり。