日本各地にライブツアー
北海道で偶然見た満天の星に大感動
――ライブは年にどのくらいやっているのですか?
今年(2017年)、人生の中で一番多かったと思います。ソロコンサートが12会場、24回。そのほかにも、日本の歌手の先輩方と、歌謡祭などに出たり、ゲストで出たりするのを入れると、100回くらいです。
――ほぼ毎日ですね。
社長が休ませてくれないんです(笑)。
――ZEROさんはコンサートで全国を回ってらっしゃっていますが、特に印象に残っている地域とか、物とかありますか?
どこも印象に残っているのですが、北海道でちょっとした事件があったんです。今年なんですが、北海道でツアーがあったんですが、コンサートが終った夜、次の会場に移動するためのホテルに行く途中だったんです。その日は初雪だったのか、すっごいたくさん雪が降ったんですね。事務所の社長が運転する車で、真っ暗な大雪の中、僕と保科さんと3人で移動していたんです。それ自体も不安だったんですが、ナビの設定を間違えてしまって、全く人けのない山奥に行ってしまったんです。その真っ暗な中で外に出て空を見ると、星がばーっと、本当にたくさんの星が見える風景が目の前に広がっていて、人生で一番の素晴らしい星空が見られたんです。そこに、シカが道路を渡っていて、そしたらまた次のシカ、次々とシカも通っていって、大自然を感じることができました。北海道って、雪がいつ降るか分からないような天気が急転したりするみたいで、山道まで間違っていってしまってすごく不安だったんですが、結局、そんな人生初の素晴らしい風景に出合えて感激したんです。
(社長 北見から帯広に行かなきゃならなくて、北見が初雪で20センチくらい積もって、高速が使えなくなったんです。下道を行ったんですが、ずーっと行ったら突き当りで…。また戻ってきたら本当に真っ暗闇で。でも、外に出たら本当に星がきらめいていて、「きれいだ、きれいだ」ってZEROが感動してました)
本当に、間違ったナビに感謝しました。
――日本の食べ物は何が好きですか?
お刺身も、焼肉も、何でも食べます。ただ、コンサートの日はホテルで朝食を食べますが、基本的に、朝は和食です。和食を食べないと落ち着かないんです。
――韓国が友だちや親戚が来たときに、何をご馳走したいですか。オススメの食べ物は?
納豆ですね。
――韓国の方は食べられないのでは?
韓国でも、チョングッチャン(発酵大豆のチゲのようなもの)という似た料理があるから、意外と食べてみるとおいしいっていうのもありますよ。だから、僕はスーパーで何箱も納豆を買って帰ることもありました。韓国では納豆を混ぜてごはんにかけるという習慣はないのですが、意外と好評ですよ。梅干しとかも。
――普通はあんまり好きじゃないという話を聞きますが。
日本に来たら、日本の食べ物を食べてみて、と言います(笑)。
――チェロをされているとか。
趣味でやってます。
――いつごろから始めたのですか?
始めたのは3年くらい前です。音大で専攻したのは、ファゴットという楽器だったんですね。弦楽器はやったことがなかったので、ちょっとやってみようと思ったんです。それに、チェロを弾きながら歌うっていう歌手は今まで見たことがありませんので、ちょっとチャレンジしてみようかなと思って。
――歌いながら、ですか?
もちろん、演奏と同時に歌うのは無理ですよ(笑)。イントロとか、間奏ではチェロを弾いて、休むところで歌う、と。
――さだまさしさんのバイオリンみたいな感じですね。
そうです。
(社長 チェロを弾いて歌うのは、ビリーバンバンとか)
そうなんですか! でも社長、それ大きいやつじゃない?
(社長 そう、大きいの)
コントラバスですよ(笑)。それも珍しいですね。大きさで負けました(笑)。
――ZEROさんといえば、高いファルセットが有名ですが?
ドラマの曲が多かったので、ファルセットからスタートしたのですが、最近はあまりやらないです。ドラマの曲はファルセットの曲が多いと思うのですが、そればかりじゃ耳が痛いし(笑)。
――どんなジャンルの音楽が好きですか?
ジャンルは関係ないですね。全部好きです。ただ、アイドルの曲はあんまり聴かないですね。年とったのかな(笑)。
――歌手になったきっかけは?
小学生のときから歌手になりたかったんです。チョー・ヨンピルさんが当時はすごく人気があって、LPを聴きながらマネをしたり。中学校時代は休憩時間とかに歌っていたら、噂になったりもして。大学に入って歌謡祭に出たら優勝したりしたんです。そういうことがきっかけで、ある作家さんが事務所を紹介してくれて、デビューすることになりました。
――そのとき歌っていたのはバラードですか?
バラードとロックを融合した感じですね。
――韓国でサイバー歌手としてデビューされたと聞いていますが、サイバー歌手というのはどんな歌手のことですか?