9月に東京芸術劇場プレイハウスにて、ミュージカル『天翔ける風に』が上演される。
本作は、ドストエフスキーの小説「罪と罰」を基に野田秀樹が幕末の日本を舞台に描いた「贋作・罪と罰」を、謝珠栄が自らミュージカル化し、2001年に初演された傑作舞台。
03年に再演、09年には野田秀樹芸術監督就任記念プログラムとして東京芸術劇場で上演し、さらに13年には東宝プロデュースでも上演された。
謝珠栄があふれるイマジネーションを駆使した空間演出で観客を魅了し、スタイリッシュに音楽の美しさを際立たせ、これまでにも高い評価を受けてきた作品。この人気ミュージカルを10年ぶりとなる今秋、リニューアル上演する。
出演は、宝塚歌劇団入団からわずか9年という早さでトップスター就任を果たし、21年8月の退団まで月組をけん引してきた珠城りょう。退団後、初めてのミュージカル出演となる。宝塚退団後に出演した『8人の女たち』『マヌエラ』でも強い女性像を演じてきた珠城が、男性社会の中で生き抜く女性を演じる。
さらに、俳優としての実力を着実に積み重ねるだけでなく、卓越したダンス技術とセンスで振り付けやLIVEプロデュースなど多方面での活躍を見せている屋良朝幸。今拓哉、東山義久、原嘉孝、加藤梨里香、駒田一、剣幸といったミュージカル界をけん引する名うての実力派が顔をそろえた。
男尊女卑が当然という価値観であった時代に、男性の中に1人混ざり、迷い悩みながらも自分の信じた人生を駆け抜ける主人公の姿は令和の時代を生きる観客に何を伝えるのか。 謝珠栄が豪華キャストと共に描き出す日本版『罪と罰』の世界に乞うご期待!
[珠城りょうコメント]
役者人生の中で自分が三条英を演じる日が来るとは夢にも思っていなかったので、とても幸せに思います。野田秀樹さんの戯曲を謝珠栄さんがミュージカルにした日本オリジナル作品。海外作品が多く上演される中で今これを再演するということに大きな責任も感じますが、原作の「罪と罰」にはその時代背景ゆえの思想や理想、さまざまな人間模様が描かれています。私自身が楽しんで苦しみながらも謝さん、キャストの皆さんと熱い舞台を作っていきたいです。
[屋良朝幸コメント]
『天翔ける風に』に出演させていただくに当たり、過去の公演映像を拝見させていただいた時に、パフォーマンスに込められた爆発的なエネルギーが伝わってきました。一人一人の身体能力の高さから湧き出るエネルギーにも感動しました。謝さんの創る世界に、自分がどのようなスパイスを加えることができるのか楽しみです。皆さまにも、自分が感じたエネルギーをお届けできたらと思います。
公演は9月29日(金)~10月9日(月)まで東京・東京芸術劇場プレイハウス、10月13日(金)~15日(日)まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、10月19日(木)~22日(日)まで愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて。