『コリオレイナス』『アントニーとクレオパトラ』と並んで、ローマ史に基づいて描かれたシェークスピアの有名なローマ劇の一つ『ジュリアス・シーザー』を、女性キャストだけの布陣で10月にPARCO劇場で上演する。
男たちの陰謀と策略の渦巻く古代ローマの政治闘争を、女優のみの舞台で描く本作。演出に今年3月に上演された『Romeo and Juliet ―ロミオとジュリエット―』に続いて2本目のシェークスピア劇を手掛ける森新太郎を配し、女性が本来持っているしたたかさ、強欲さ、圧倒的な強さで鮮烈にあぶり出す闘争劇だ。朋友たちとの友情、師と仰ぐ人物への信頼と憧れ、正義ゆえの裏切りなど、女性が持つパワフルさを存分に生かしてローマ史実を基にした壮大な政治劇を描き出す。
主演は吉田羊。映像での活躍も華々しく、近年コンスタントに舞台での出演を重ね、2016年には三谷幸喜演出の『エノケソ一代記』で読売演劇大賞優秀女優賞も受賞している吉田が、本作の主人公・ブルータス役を演じる。彼女としては初めてのシェークスピア劇であり、PARCO劇場で初主演を務める。また、森新太郎演出も初参加となる。
俳優業に専心して以来、着実にその実力を高めてきた松井玲奈がシーザーの腹心の部下・アントニー役を、主に舞台で活動をし読売演劇大賞優秀女優賞を受賞した実力派の松本紀保がブルータスの同僚で友人のキャシアス役を、ミュージカル女優として地位を確立しつつストレートプレイでの評価も高いシルビア・グラブがブルータスらに暗殺をはかられる古代ローマ王政の独裁官ジュリアス・シーザー役をそれぞれ演じる。
さらに藤野涼子、久保田磨希、中別府葵ほか映像、舞台で活躍するベテランから若手まで硬軟取り混ぜた女優たちが大集結し、女優だけのシェークスピア劇に挑む!さまざまなシェークスピア劇を手掛けてきた演出の森新太郎としても、女性キャストだけで挑むのは初めて。シェークスピアによる壮大なローマ悲劇を、森新太郎と実力派女優陣がどのように織り上げていくのか、注目を!
パルコ・プロデュース2021『ジュリアス・シーザー』は、10月10日(日)~31日(日)まで東京・PARCO劇場にて。11月に大阪、山形、福島、宮城、富山、愛知公演あり。