12月8日(火)に東京・Bunkamuraシアターコクーンにて舞台版『オリエント急行殺人事件』がついに開幕。初日前日に、開幕直前取材&公開ゲネプロが行われた。
「オリエント急行殺人事件」は1934年に英国での出版以降、名探偵ポアロが軽妙に事件を解決する様が世界中の人々を魅了し、長きにわたりドラマ化・映画化されてきた。2019年、満を持して日本初演の幕を開けた本作は、巧みに構成された心理会話劇とコメディーを、演劇界の鬼才・河原雅彦が演出し好評を博した。アガサ・クリスティ生誕130周年となる今年、演出・河原雅彦と、主演の名探偵エルキュール・ポアロを演じる椎名桔平との初タッグにより待望の再演を果たした。
雪に閉ざされた豪華列車で起こる密室殺人。容疑者は全乗客。名探偵ポアロが対峙(たいじ)する、一癖も二癖もある乗客たちを演じる俳優陣にも注目だ。2020年の終幕を飾るにふさわしいミステリー巨編をお見逃しなく!
公開ゲネプロの前に舞台上で行われた取材会見には、主演の椎名桔平をはじめ、松井玲奈、松尾諭、室龍太、本仮屋ユイカ、粟根まこと、宍戸美和公、中村まこと、マルシア、 高橋惠子の豪華なキャスト全員と演出の河原雅彦が登壇した。あいさつに立った椎名は「運良く幕を開けるところにたどり着きました。1カ月半ぐらいの稽古でしたが、分かりやすい細かい演出で、オリエント急行を作り上げてきた実感ができております。『鬼滅の刃』の無限列車で例えると“全集中”! (集中力が)抜けるところが本当にない舞台です。膨大なセリフ量と戦っています。細かい演出、ご指導いただきました。みんな真面目な方ばかりで、情熱を持って稽古してきたので、きっと満足していただけると思います。劇場の明かりがつき、お芝居をする、初日を迎えて、終えたら何か湧き上がってくるものがあると思います」とこの作品に懸ける思いを語った。さらに河原に対して「素晴らしいです。おっしゃることも理にかなっていますし、これだけの人数をまとめて。日本の演劇界を背負って立つ!」と絶賛。それに対して河原も「初めてご一緒させていただきましたが、緊張感を持って接しないと怖い人かと思ったら、穏やかでマイペース。セリフ量が大変な役なのにダンディーに演じてくださいました。椎名さんでよかった」と椎名を褒めた。
椎名については共演者たちからも、室「すごく大人の男性で格好いいなと思いながら、でもちゃめっ気もあるのですごく素晴らしい大人の男性だなと思います」。マルシアは「カッコよくって目がキラキラなさっていて」と称える発言が続いた。
公演は12月8日(火)~27日(日)まで同所にて。
撮影◎岩田えり