俳優の城田優と歌手のCrystal Kayが6月9日、東京・渋谷の東急シアターオーブで行われたブロードウェイミュージカル『ピピン』日本語版公演の公開ゲネプロに参加。直前の囲み取材であふれる思いを情熱的に訴えた。
本作は、1972年の初演でトニー賞を5部門受賞した名作で、2013年の新演出版も4部門受賞。今回は新演出版を手がけたダイアン・パウルス自ら演出し、本場のクリエイティブ・チームも再集結。城田は主人公のピピンを、Crystal Kayがカリスマ的狂言回しのリーディングプレイヤーを演じ、空中ブランコ、アクロバットなどサーカスのような激しくも優美なアクションを繰り広げる。
「2時間10分の公演だとしたら、2時間5分は舞台上に出ている。歌いながらバク宙するし、幕間も準備で全く休めない」という城田は、「こんなに自分の作品に対して興奮してしゃべることないんですけど…」と言いながら情熱的な早口で「城田優史上、一番チャレンジングであり、スリリングであり、アグレッシブで、誰が観てもすごい作品です。このタイミングだからできる、これを逃したら次はない、これ以上のミュージカルはないと断言します。男に二言はありません」と熱く語った。
古くからの友人で同い年のCrystal Kayに「ブロードウェイ・ミュージカルやらない?」とオファーをしたのも城田だそうで、Crystal Kayは「LINEで『ピピンって知ってる?』と言われ、『あ、ブロードウェイで観たよ。しかも出待ちの人に(リーディングプレイヤー役の)パティーナ・ミラーさんに間違えられた(笑)』『え、すごい縁じゃん!』」という流れで出演を決意したという。
城田は「この役に合う人ってなかなかいないけど、あ、Kay! いたじゃん!! と思って口説き落としました。すごい大役で、アクロバットはあるし、求められる歌のクオリティも高い。だけど歌はもちろん、初ミュージカルの彼女がここまで完璧にやるんだと驚いてほしい。これからもすごいオファーが来ると思う」と太鼓判。
Crystal Kayは「本当に魔法の世界。毎回、何の感情か分からないくらい感動しているし、観ている方も気持ちを共有できるような参加型の特別な舞台で一体感があるんです。出演している私でも『ここでこんなことしてたんだ!』って毎回発見があるから、何度見ても楽しめると思う。お客さんとして観たかったよね」と城田と笑い合っていた。
ゲネプロ公演では、73歳の女優が中尾ミエ(Wキャスト/前田美波里)が歌いながら空中ブランコに乗るアクロバット場面でも大きな歓声が上がっていた。
ミュージカル『ピピン』は6月30日まで東京・渋谷の東急シアターオーブで上演。その後、7月21日まで名古屋・大阪・静岡で上演される。