佐野史郎演じる、寺内誠司の情熱と悲哀を描いた心理サスペンスドラマ「限界団地」が、先日クランクアップを迎えた。撮影は、あやめ町団地の幽霊部屋で、寺内と江理子(足立梨花)の将来を暗示するシーンで終了。スタッフからの大きな拍手と「おつかれさまでした」の声援に、足立は思わず涙ぐみ、佐野にも安堵の表情がこぼれた。
佐野は作品をこう振り返る。「何より無事終えられたことがうれしいですし、本当に素晴らしいスタッフ、共演者の皆さんに恵まれ、心より感謝しております。全シーン神経を張り詰めていたので、一度、心神喪失のような状態になってしまい、撮影していて記憶がおぼろげなシーンが1、2シーンありました。こんなことは始めての経験でした。言い訳になりますが、連日の撮影で出演シーンもかなりあり、限界ギリギリだったのかもしれません。ですが、連ドラ初主演はそういった過酷さも含めてとても楽しかったです。寺内のセリフに、『この団地をより良い住まいにして、次の世代に引き継いでいってもらいたい(最終話)』というのがあるのですが、僕も60歳を過ぎ40年以上俳優の道を歩んできた中、それでも大先輩たちから見ればまだまだ小僧ですが、先輩たちから学んできたことを若い世代の俳優さんたちに伝えておきたいという気持ちが正直あります。ただ、それはセンチメンタルでノスタルジックな思いではなく、それぞれの時代の俳優さんたちの立ち姿、声の出し方などを手掛かりに、なぜそうだったのかを紐解きながら、ならば今の僕らはどうしてこのような取り組み方をしているのか、皆さんと分かち合いながら現場にいたかったんです。佐野は現場でいつもしち面倒くさいことを言ってたなあと、いつか思い出してくれたらうれしいですね。それは、団地とはどうあるべきか?という、ドラマを作る過程とも重なっていたはずですし、これからの時代をどう生き抜くかという問いかけにもなったと思います。ドラマ、団地を通して、僕ら自身がどう生き抜くかという思いが込められた作品だったと思います。特に江理子とのラストシーンでは、僕も足立梨花さんも、そのことを強く意識させられていたような気がします」。
オトナの土ドラ「限界団地」フジテレビ系 毎週土曜 後11:40~深0:35
第6話あらすじ(7月14日放送)
団地が老朽化のために取り壊されることを聞いた寺内は、住人を説得して反対の署名運動を始める。折しも、寺内家では孫娘の穂乃花(渡邊詩)が亡くなった両親に話しかけるそぶりを見せた後、ひと言も話さなくなる。動揺した寺内は江理子(足立梨花)を呼び出し「穂乃花の母親になってほしい」と懇願。こうして奇妙な“家族ごっこ”が始まるが…。
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