ドラマ

内野聖陽インタビュー「母なる大地のような心で、シロさんを包み込みたい」

――よしながふみの人気漫画が、この春実写ドラマ化された。内野が演じるのは、人当たりの良い美容師・矢吹賢二。倹約家で料理上手な弁護士・筧史朗(西島秀俊)とは恋人同士という役どころだ。本作では2人の日常を描く。
漫画を読ませていただいて、これは面白いなと。絵のタッチも繊細だし、男性カップルの話っていうのも今な感じがして。そして毎回2人の食事シーンがあって、その料理がやたらおいしそうなのも印象的で。僕自身、同性愛者の役をドラマで演じるのは初めてなんですが、相手役が西島さんということで楽しみな部分が多かったです。西島さんとは初共演ですが、本読みの段階からなんて美しいんだろう、久しぶりにいい男に出会っちゃったなって思いました(笑)。

ーーケンジの役作りについては、日々模索中だという。
芝居してみて、現場で感じ取ったものを大切に役作りしています。最初はケンジのように繊細で情感をストレートにぶつける役を演じるのは難しいって思っていたけど、やってみるとこれかもって思える瞬間もあって。西島さんは漫画からそのまま出てきたような人だから、ケンジがシロさんに抱く気持ちそのままで接していますね。

ーーそんな中で見えてきた〝ケンジ像〟とは?
実は非常に自信がないんです。漫画はしゃべらないし、音が出ないですから。僕はシロさんの癒やしとなる存在でありたいし、イメージは大型犬みたいになりたいなと。でも自分の中でもっと探究したいのは、ケンジの持つ腰の据わった部分で。彼はどこか泰然自若としていて、シロさんよりも精神的に大人っぽい気がしています。ペット的な役回りだけど、実はシロさんを優しく包み込んであげたいと思っている。母なる大地のような、慈愛の心みたいなものを持っている人なんじゃないかな。そういうものが、演じるケンジの中にいっぱい出てくるといいなと思います。

ーー原作で描かれる2人の自然な空気感をいかに出すかが、この作品を作るうえで大切かつ難しい部分だと語る。
彼らはカップルだから普通にハグやチューみたいなスキンシップができる。僕らは男同士で演じているし、一つ一つのやり取りに照れが入ってしまうんです。そうすると、彼らの自然さは演じられないですよね。そういった日々の触れ合いを踏まえた上で、原作の世界観を作ることが大切。だから西島さんとは、2人の関係性についてよく話し合って認識を共有するんです。自然な空気感は、たくさんのスキンシップやコミュニケーションの中から生まれてくるもの。そうして、皆さんに楽しんでもらえる2人の関係が出来上がっていけばいいなって思います。

1647実データ
うちの・せいよう 1968年9月16日生まれ、神奈川県出身。最近の出演作に、ドラマ「スローな武士にしてくれ」(NHK BSプレミアム)、ドラマスペシャル「琥珀の夢」(東京系) など。主演舞台となる「化粧二題」が6月に、「最貧前線」が8月に上演される。
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ドラマ24「きのう何食べた?」
テレビ東京系 毎週金曜深0.12 ~0.52

©「きのう何食べた?」製作委員会

 

 

写真/藤本和史 文/田中莉奈
スタイリスト/TAKAFUMI KAWASAKI(MILD) ヘアメーク/玉田秋恵

 

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